原典:Bone Marrow Transplants: a Book of Basics For Patients APPENDIX A
URL:http://www.bmtnews.org/bmt/bmt.book/toc.html
訳者:撫子なんちゃん
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骨髄移植−患者のための基礎知識より
骨髄移植ニュース(BMT Newsletter )の許可を得て、ナイザーネット?NYSERNet が翻刻しました。
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付録A


血液検査について学びましょう。

今までに、「このたくさんの血液検査は何を意味しているのかしら・・」と思ったことはありませんか? ここには検査結果を理解するために役立つ手引きが書かれています。
CBCテストからは血液の各種細胞の、数・種類・形などがわかります。CBCテストは下に挙げた検査すべてを総括しています。

●赤血球数 (RBC)
血液1ml中に赤血球がいくつあるかを調べます。正常範囲は年齢と性別によって異なります。男性4.5〜6.2、女性4.2〜5.4、子ども4.6〜4.8です(単位:百万個)。
赤血球数減少は、貧血・体液過剰・出血があるときにみられます。赤血球数の増加は、多血症(血液中に赤血球が過剰にある)や脱水症状があるときにみられます。

●ヘモグロビン(Hb)
赤血球の色はヘモグロビンの色で、ヘモグロビンは酸素を肺から全身の細胞に運搬しています。この検査は100ml(1dlデシリットル)の血液の中にあるヘモグロビンのグラム数を測るもので、医師はこれをもとに、貧血や多血症の程度を判断します。正常値は、男性14〜18 g/dl 女性 12〜16 g/dl 子ども 11〜13 g/dl です。
ヘモグロビンが10 g/dl以下になるとかなりの貧血がおきてきます。

●ヘマトクリット(Ht)
ヘマトクリットは検体中の赤血球が占める容積の割合を測ります。正常値は様々です。
男性45%〜57% 女性37%〜47% 子ども36%〜40%です。

●赤血球恒数
一つ一つの赤血球の大きさ、それぞれの赤血球に含まれているヘモグロビンの量、(ヘモグロビン濃度の平均値)を測る3つの指標です。
・平均赤血球容積 (MCV) 赤血球の大きさを見ます。正常値は84〜99 flです。
・平均赤血球血色素量 (MCH) 平均的な一細胞に含まれるヘモグロビン全量を測ります。正常値は26〜32 pg です。
・平均赤血球血色素濃度(MCHC) 赤血球に含まれるヘモグロビンの濃度を測ります。正常値は30%〜36%です。

●白血球数 (WBC)
1mlの血液中にある白血球数を測ります。正常値は4,100〜10,900と幅がありますが、それは運動・ストレス・病気などの要因で大きく変わります。白血球数の減少はウイルス感染や毒素への反応があるときに見られます。増加は感染・白血病・組織の損傷などがあるときに見られます。白血球が1,000/mlを切ると感染の危険性は増大します。

●白血球血液像
検体中の各タイプの白血球が何%占めているかを判定するものです。その%数値と全白血球数をかければ各タイプの白血球が検体中に実際何個あるかがわかります。正常値は、

種類 好中球、 好酸球、 好塩基球、 リンパ球、 単球
% 50 - 60% 1 - 4% 0.5 - 2% 20 - 40% 2 - 9%
数 3,000 - 7,000 50 - 400 25 - 100 1,000 - 4,000 100 - 600

全好中球数(好中球%と全白血球数をかける)が500個/mlを切ると重症の感染を起こし得る。

●血小板数Plt
血液1ml中にある血小板の数を測ります。激しい運動をしたあとや骨髄増殖障害といわれる?状況下(感染・炎症・悪性疾患・脾臓摘出時)では、血小板数の増加が見られます。月経の直前には血小板は減少します。正常値は1ml中に150,000〜400,000個です。5万個を切ると出血が起こりやすくなります。5,000個を切ると命に関わる重症な出血の危険にさらされます。

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BMT Newsletter (c) 1992

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(訳者より−血液検査について詳しく知りたい方は http://www.srl-inc.co.jp/rinsyou.html SRLの臨床検査ハンドブックを参考にしてはいかがでしょうか。

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