3章「パソコンライブ骨髄移植日記編」

1「移植前日、移植当日」

「移植前日」

はじめて発言します。
まずは自己紹介から。

□ハンドル名:KEN
□患者の夫。
□妻の病状の概略:急性骨髄性白血病。

シアトルのフレッド・ハッチンソン がん研究センターで明日骨髄移植をします。
ドナーは米国骨髄バンクから(日系人の方です。日本の骨髄バンクでもサーチを行い、 お世話になりました)。 今年2月に診断され、ニューヨークの病院で化学療法を受けましたが、 移植のため現在の病院に移動。第一寛解で移植に臨みましたが、 直前に再発が分かりましたので、早期再発期の移植となります。

□ひとこと。

米国駐在員の家族です。6歳の男の子がいます。 米国には「ボーン・マロー・トーク」というのがありますが、 日本でもネットワーク上にこうした患者家族とボランティアの会があるのを知って 感動しました。皆さんと交流することで、ぜひいろんなことを学びたいと思っています。
移植がいよいよ明日に迫りましたが、意外と平常心。頑張ります。
では、また。

「デイ0。骨髄移植当日。骨髄無事届く」

○本日3時ごろ。某地から骨髄届く。現在の病院(フレッド・ハッチンソン)の コーディネーターと、骨髄採取病院から骨髄を運搬してきたコーディネーターが 病室を訪問してくれる。感謝の意を伝える。
4時半ごろ、骨髄注入開始。家族で雑談したり、子供に日本語を教えたりしながら、 ごく平静な気分で過ごす。骨髄を提供して下さった方は、 今頃、腰や背中がさぞ痛んでいることでしょう。 米国ではドナーは日帰りで、通常は入院しない由。 ドナーさん、ありがとうございました。
1年経てば双方の意志が一致すれば、面会できると聞く。 直接、お礼を言う機会は作りたいと思う。

next

○以前から電話やファクスでやりとりをさせていただいていた 笹月健彦教授(九州大学生体防御医学研究所遺伝学部門。 厚生省のHLAタイピングに関する研究会の座長)が フレッド・ハッチンソンを訪問中。 ハッチのジョン・ハンセン教授(米国骨髄バンクの現理事長) とともに病室にお見舞いに来て下さった。 笹月先生はハッチで、「免疫学」と「HLAタイピング」の2つの講演を行った。 移植当日だというのに、妻が眠っている間をぬって前者を聴講する。 専門的な基礎研究で内容はチンプンカンプンだったが、 分かったことや感想は次のようなこと。 要するに免疫メカニズムは未だに基礎モデルさえ解明されていない。 その解明のチャレンジが今まさに行われている。 理論がなくても、実践(骨髄移植)が先行している。 基礎モデルが確立すれば、いつか治療にもブレークスルーがあるかも知れない。 お医者さんは、こんな難しい研究(それにネズミをいっぱい飼ったり、根気がいる) をすると同時に、病棟では患者の愚痴や悩みを聞いたりする、 全く違う2つの世界を生きている。
後者の講演では、「ドナーと患者のHLAマッチングと予後の関係」という、 わりと患者にも切実なテーマだったようです。
今の病院は研究重視の病院。お医者さんには、「研究の時間を減らしてでも、 もっと患者のことをよく知って」と言いたくなることが多い。 こうした研究が、果たして中長期的にみてどれくらい治癒率向上に 役立っているのかが知りたいものだ。

「質問」

○欧米では骨髄移植のとき、最近は一部の病気を除いて無菌室は使いません。 普通の病室で、24時間面会自由です。普通病室でも成績に違いがないと分かったからです。 日本では白血病などの移植のとき、現在でも無菌室を使っていますか。 (なぜか日本では成績に違いが出ると聞いたことはあります)

○妻は移植1、2、3、4日前に外出許可が出て、家に帰ったり、 買い物に出かけたり、外食をしたりしました。 日本でも、そういうことをしますか。
では、また。

next

-1-

2「移植後1日目〜5日目」

「移植翌日。2キロ歩く」

 みなさん、お返事ありがとうございました。
 今日は、移植翌日。妻はとても元気。ハッチでは毎日フロアを34周(約3キロ)歩くことを 奨めていますが、今日は2キロ以上歩きました。食欲もまだ少しあります。 今日から菌類感染防止薬の「アムフォテラシンB」の投与を再開しましたが、とくに副作用なし。 すべて順調。病室で家族みんなでビデオで「どらえもんスペシャル」を見る。 妻も「らくだのオアシス」を読む。近々、参加の意向(私がワープロ代筆します)です。 よろしく。
 アムフォというのは特効薬ですが、副作用がやっかいですね。 かつて妻もけっこう苦しめられました(全身に激しい震え)。今の病院では新型アムフォが主流。 これは副作用が少ない。前の病院では新型はまだ薬効が十分に確認されていないと、 旧アムフォが主流でした。

「無菌室の件」:米国では比較調査の上、無菌室を使用しても使用しなくても 統計的に優位な差は出ないという結果が出ました(一部の疾病は除く)。 費用対効果を考えると使う理由はないというわけです。 また、長期入院は体力の維持の困難さ、人間的触れ合いの減少、院内感染問題などのデメリットも あると見ています。米国では私が聞いた範囲では、ここ数年で全国的に無菌室の使用は下火に なりました。 いまや無菌室の使用は保険会社が許しません。無菌室を使用する病院は経営が 成り立たなくなるというわけで、いっせいに使用はなくなりつつあります。
 日本でも数年後には無菌室が使われなくなる可能性がある、という人はいます。 日本の風土的特質がどの程度あるかが検討されるでしょうが、 無菌室→簡易無菌室→限定的な無菌室使用、といった風に段階的に減少していくことは ありえるのかも知れませんね。
 米国では「入退室する人が手洗いだけきっちりやれば大丈夫」と考えています。 また骨髄移植の患者は平均1カ月で退院して、あとは通院です。 この際、食事の衛生には十分注意を払います。自家骨髄移植の患者さんは、 大きな症状が出ずに調子がよければ全く入院なしですませることもあります。

「外出の話」:米国では通常、移植の一週間前に入院。化学療法と放射線照射をした後でも、 カウント(血球数)が下がっていなくて、特に他の問題がなければ外出させます。 病院にいる必要性が必ずしもないし、その方が患者のため精神的によいと考えるからです。 もちろん人混みの中に出たり、なまものを食べたりすることはできません。

next

△米国の骨髄バンクの平均コーディネート期間は4カ月半、 日本の骨髄バンクでは8カ月半だったと記憶しています。 日本の患者も急ぐ方は、米国の骨髄バンクに登録することが妥当のように思います。 米国の登録者はおおざっぱに言って200万人でうちアジア系が10万人ほど (96年なかばごろの概数。97年6月にはそれぞれ約280万人と約12万人)。 この中にはかなりの日系人が含まれています。追加費用はかかりますが、 日本で見つからず米国で見つかる、あるいは米国の方が早く見つかるというケースは多いと思いますよ。

○微妙な問題かも知れませんが、素朴な質問です。みなさん、気を悪くなさらないで下さい。 日本ではなぜコーディネートに8カ月半かかるのですか。 骨髄バンク関係のみなさんの努力には常々感銘を受け、感謝しています。 でも、この点は誰でも抱く疑問だと思うのですが、お尋ねしてよろしいでしょうか。

○骨髄移植の型合わせについて。日本では骨髄バンクからの移植は6分の6マッチが前提ですか。 また、6分の6というとき、遺伝子レベルのマッチですか。 それともA,B座は血清学的レベルですか。米国では移植病院によってポリシーが違います。 まだ血清レベルが主流のようです。

○日本語で集められる医療情報にはどんなものがありますか。私は英語で集めたので、 量に圧倒されたのと、読むのに時間がかかって大変でした。 でも、本当に情報の大切さとありがたさは痛感しました。 すぐに思い出せる範囲では、ナショナル・キャンサー・インスティチュート(米国がん協会)の PDQ(医療情報)、ペンシルバニア大学のオンコ・リンク*1、 医療論文が検索できるホームページ*2、などが役に立ちました。 米国で発達している医療情報検索代行サービス(有料)も使ってみました。 キャンサー・インスティチュートやルーケミア・ソサエティ(白血病協会)が 無料で配布しているパンフレット類も最初の段階ではとても有益でした。 余裕があれば、こうした情報源の一覧表とコメントを作ってポストしたいと思います。
 日本の国立ガンセンターなどから検索に入っても、すぐ英語の世界へのリンクになってしまいますね。 厚生省がPDQの日本版を作る予定という記事を読んだことありますが、いつ完成するのでしょうか(注:現在ではかなり充実してきた。*3)。 PDQ(患者用と医師用があるが、患者でも医師用を読みたい)の日本語訳があって誰にでもすぐ読めるようになればとてもいいと思う。 とりあえず、英語が得意な人でボランティア的に血液疾患関係だけでも要約を 作ったりすることはできないかしら。実現にはいろいろ障壁があるのは承知ですが。
 インターネット上にある大野竜三先生の白血病テキスト*4は立派なものですね。 もっと早く知って読んでおいたら良かった。

next

*1.The University of Pennsylvania Cancer Center Resource
*2.HealthGate MEDLINE+
*3.National Cancer Center - Cancer Information Service
*4.白血病電子教科書
-2-

「移植後2日目」

 妻は元気。廊下で子供と「だるまさんがころんだ」をして遊んでいた。 今日は1キロぐらいは歩いたかな。廊下でラジコンの車といっしょに散歩している 移植後20日目の20歳弱ぐらいの青年の患者がいる。 けっこう音がうるさいが誰も文句を言わない。患者はみんなこのようにして、 ついついおろそかになる散歩をやるように動機付けをしているのです。 うちの息子はラジコンに興味しんしんだが、「やってみるかい?」と言われると 恥ずかしがって遠慮してしまう。実は僕もやらしてもらいたかったのが・・・
 今日は午後1時頃から9時頃まで、家族みんな病室で過ごした。妻はもちろん、 今日もラクダを読みましたよ。

「移植後3日目」

 今日は米国は祭日。学校がないので子供の世話に手間をとられるが、 ボランティアの人が息子を3時間ばかり遊びに連れ出してくれる。 妻も「あんた、病院に来なくていいから家で休養したら」と言ってくれる。 自分では元気なつもりだが、疲れているように見えるらしい。まずい。
 というわけで、午前中はボーナス時間とばかり休息する。 といっても、そんなときに限ってあれやこれやしなければならないことを思い出して しまうのが人間の性。 あとは、台所を掃除したり、なんのことはない、パソコン通信でラクダをしたりして・・・
 妻は元気だが、少し口内炎が出てきた。お医者さんは「予定通りです」と意に介していない。 歩く意欲はまんまんだが、多分サイクロスポリン(免疫抑制剤)のせいでカカトが痛み、 歩くのはきつい。 そこで、これからは、自転車こぎマシンで運動することになる。こちらでは毎日、 運動トレーナーが病室に来て、筋力トレーニングをするんですよ。
 今日は午後1時から8時まで家族みんなで病室で過ごした。 私は風邪のせいか、胸に発疹が出る。お医者さんに相談すると、 「患者に向かって咳をしたり、手を触ったりしないように。部屋にいるのは問題なし」 とのこと。4、5日前には子供にウイルス性発疹が出たが、 お医者さんは1日観察した上で、面会OKを出しました。 無菌室を使わないだけではなく、そんな具合です。 もちろん、私も子供も手洗いはとても注意しています。

next

◎これまでの限られた情報から判断すると、日本の場合、移植施設がまず第一の ボトルネックになっているのかなと感じました。
 日本では、ドナーが見つかる確率はすでに米国より高いはずです。 骨髄バンク人口が未だに十分ではないにも関わらず、日本人の国民的同一性の高さが 貢献しています。妻は「日本人で良かったと初めて思った」などという言い方をしていました。
 日本では無菌室は増設が追いつかず、無菌室を作ることは病院にとっても採算が合わないわけですね。 それで、多くの方が空き室待ちをしており、ときには、移植が手遅れになることもあるのでしょう。 たとえば急性骨髄性白血病(AML)でもハイリスク群は第一寛解で移植した方が良く、 かつ移植までの化学療法が少ない方が望ましいというのが、共通認識になりつつあります。 医学的にはますます迅速な移植の必要性が高まってくると考えられます。
 米国では移植センターに申し込んでから、1カ月程度で入院できます。 先に書いたようにドナーは平均4カ月半で見つかります。 日本で本当に無菌室が必要なのか、科学的な検証が望まれます。 なお、米国ワシントン州のシアトルは乾燥地帯ではなく、米国大都市では 有数の年間降雨量が多い土地です。 東京などとの違いは年間平均気温がやや低いところです。 菌類、雑菌などの生態系が違うとは想像します。
 突拍子もない話ですが、日本では、北海道に大規模な骨髄移植センターを作れば、 普通病棟で移植できるのではないでしょうか。家族の滞在施設も作って、 そこで集中的にやればどうでしょう。米国では各州に移植センターがありますが、 かつては実質的にシアトルをはじめとした5つ程度のセンターが核になって 経験と技能を蓄積してきました。 日本は行政思想として各県平等主義があるように感じます。 ダントツに経験を蓄積するセンターがなく、さらに、どなたかの発言にあったように、 横の連絡と知識共有があまりうまくいっていないとしたら、 全体の発展には疑問符がつくかもしれないと、拝察しました。あくまで仮説ですが。

next

-3-

◎日米ドナーサーチの話。 米国バンクからの移植が日本の特定のひとつの病院でしかできず、しかも多額の料金が かかるので、最初から日米同時サーチをする方は少ないのではと推測します。 もちろん、第一義的な課題は日本の骨髄バンクの登録者数を増やすことに変わりないでしょう。 しかし、現実的には、素早く米国でサーチした方が人命が救える場合もあるはずです。 お医者さんたちが、このあたりを良く認識されているなら良いのだがと思います。 まさか、政策に「骨髄国内自給論」なんてのがあるわけではないでしょう (あるいは逆に「日本の骨髄は日本人だけのために」!?)。 ちなみに妻の場合、米国での第一次検索で20人弱の方が一致しましたよ。 患者やドナーの心は国境を越えていると思いますが、 制度がなかなか国境を越えられないのでしょうか。

◎「外出の話」: (注:骨髄移植直前に、前処置の最中に妻が外出したことについて、 驚きのレスがたくさん届いたことに対して) 米国でも日本でも前処置の化学療法のドース(薬の量)や放射線照射の線量は 同等のはずです。 多分、環境と、回りの患者の扱いかたのせいで、患者の反応に違いが出てくる ということではないでしょうか。

「移植後4日目」

 予定どおり、というか、そろそろ口内炎がつらくなってきましたね。 今日はエキササイズバイクが部屋に届きました。 病棟散歩用の「滑りどめつき特別靴」はサイズが品切れなので、明後日届く予定。 この柔らかい専用靴を履いて病院の階段を上り降りしたりすることになります。
 日本では移植前後に患者さんはほとんどベッドに寝たきりになるそうですが、 こちらでは運動の重要性を強調します。歩くと骨を刺激して血球の戻りが早くなる。 心肺機能を強化して肺炎リスクを抑える。体力を維持して、発熱時の耐性を保つ。 血液循環をよくして、薬剤の毒性を排出する。そんな意味があるようです。
 毎日トレーナーが来て、20分程度のプログラムをこなします。 「つらいからと言って休むと余計につらくなるわよ」というのがトレーナーの 基本アドバイスです。 もちろん妻も、ゲロゲロ・ピーピーやっているときはやっていますが、 晴れ間をぬって取り組むわけです。
 みなさん。お返事ありがとう。

next

◎「インフォームド・コンセント」:米国のインフォームド・コンセント (説明と同意のうえの治療)が形骸化しているのは事実ですね。 「確かにリスクと選択の自由を説明しましたよ」という証拠を残すためにあるようなもので、 治療方法についての説明の記述は全くといってほど盛り込まれていません。 官僚的文体で、言語明瞭意味不明の文章です。
 しかし、説明して質問の機会をもうけていることは重要なことです。 さらに、ごく一部にですが、改革機運はあります。 ひとつはコンセント・フォーム自体をもっと親しみがある文体にし、 分かりやすいものにすること。 もう一つは、そこまで踏み込むことはためらうが、コンセント・フォームに別途、 説明資料を添付しようという考えです。 そうしたことを近い将来に実行しようと改革委員会を設けている病院が出てきました ので、もう少ししたら、変化が出てくるかもしれません。
 米国では患者を「カスタマー=お客さん」と捉えようとし始めています。 多くの病院が組織の中に医療部門とは独立した「品質管理部門」を置いています。 日本が米国の問題点をみて、追随するのを躊躇しているうちに、 米国はもう一段先に行ってしまるかも知れませんね。

◎「セカンド・オピニオン」:米国では治療方針の決定に際して患者が 「セカンド・オピニオン」を取るのが一般的です。 念のため、これは別の医療機関(主治医以外)の公式意見を聞くことです。 骨髄移植のような高額治療のときは保険会社の方が半ば患者に義務づけます。 また、治療が開始される前に保険会社の承認が必要です。 主治医の判断に常にチェック機構(他の医師や保険会社の)が働いているわけです。 保険会社は「セカンド・オピニオン」に関する、診断料、交通費、滞在費なども カバーする(限度額あり)ことが多いです。 我々もセカンド・オピニオンを取りました。そしてセカンド・オピニオンを取った 病院の推薦の方を選択し、病院を変えたわけです。
 「超大量化学療法」「第一寛解時の骨髄移植」「同・Tセル除去方式」 「血縁ミスマッチからの移植」「骨髄バンク登録ドナーからパーフェクトマッチの移植」 「再発したときに骨髄移植」「同・自家骨髄移植」など、 いろいろな選択肢がありました。 最終的に「第一寛解時、骨髄バンクから通常(Tセル除去でない)方式での移植」を 選択しました。

next

-4-

◎「がんばれ、ガンセンター」:昨日、久しぶりにインターネット(ウエブ)で、 国立ガンセンターのガン情報サービス*1を覗いてみました。 数カ月前に比べて飛躍的に情報が増えていましたね。 内容的には米国がん協会のPDQの患者用に近い印象。お医者さんは英語ができる だろうから本家のPDQ医師版を見ればよいということでしょうか。 でも、日本語で医者用がないと意味は薄いですね。 米国では患者が医者用を見ることで、大きなインパクトがあったのですから。 PDQの医師用は日本のお医者さんの多くがアンチョコにしていると思います。 あのレベルのものを作ってしまうと、手の内がばれるというのはあるでしょう。 告知もインフォームド・コンセントも前提にないとすれば、患者に多くの情報を 提供すれば現場が混乱する、という配慮もあるでしょう。
 こう考えてくると、情報が増えたことは歓迎だけど、とうてい5つ☆は出せませんね。2つ☆がせいぜい。そつなくまとめているけど、一挙に世界一のものを作ろうという気概が感じられないのですね。やる前から負けるつもりの「敗北主義」ですね、これは。この作業を指名されたお医者さんは大役でしょうが、もっと大胆にやって欲しかった。 日本は「物まね主義」と非難されることはあっても、 かつては「後から作るなら、オリジナルを超えるものを」というぐらいの気持ちはあったのでは。 後から、劣ったものを作るなら、PDQを丸ごと翻訳して出す、民間サービス(有料でも無料でも)でも作った方がましだと言いたい。
 柳田邦男さんの「ガン病棟の朝(あした)」を読むと、がんセンターを設立した当時の お医者さんにはもっと熱気がありますよね。 研究と臨床をセットにするという組織形態としては、ニューヨークのスローン・ケッタリングを模倣しながらも、あわよくばそれを超えてやろうという気概が・・・(首相の病気について虚偽発表をするとか、医者が患者になったときでも告知しないとか、 今ではとうてい考えられない無茶苦茶なことも書いてありますけど)。
 おっととっと、いけないよ。今日は「怒れるオジサン」する気分なのでした。 ご勘弁を。
 結局・・・・。日本の制度が変わってから情報の提供の仕方が変わるのでなく、 情報の流通の仕方が変わることで、日本の制度が変わらざるを得なくなるのでしょうかね。
 みなさん。というわけでわれわれは「らくだのオアシス」で情報交換に励みましょう。

next

「移植後5日目」

 あいかわらず口内炎が痛い。 主に、おととい入れた免疫抑制剤のメタトレキサート(MTX)の影響だろう。 でも、体調全体としては昨日よりましだ。昨日から鎮痛剤のモルヒネが入る。 「持続的注入装置」をつなぎ、痛い時に自分でボタンを押して入れる仕組み。 氷で頬と首を冷やす。だらだら出てくる唾液を吸入する装置もセットされた。 モルヒネの副作用か、激しい吐き気がときどき襲う。午後は鎮痛剤が不要になった。
 お昼前に点滴ラインをはずしてもらい、自分でシャワーを浴びる。 鼻歌を歌っているのが聞こえた。シャワーはずいぶんリフレッシュするするようだ (日本ではベッドで体を拭いてもらうのでしょうか。こちらではシャワーは毎日OK。 ラインの入り口もシャワーで流してよい。ニューヨークの病院ではビニールをかぶせたけど)。 そのあと、例によってフロアを歩く。
 昨日から白血球はゼロ、血小板も下がったので血小板輸血をする。 8種類ぐらいの薬や輸液がスタンドにぶら下がって、満艦飾になってきた。
 子供は4時から8時まで病室にいて、お絵かき、本読み、宿題などをする。 今日は、ボランティア、トランジション・ナース(外来・通院と入院の間をスムーズにするため 一貫して世話をするナース)、ハッチに勤める日本人従業員、ソーシャルワーカー (話し相手になってり、悩み事を解決しようとする人)、チャプラン(宗教的背景を持ち、 患者の相談相手になる人。こちらがとくに望まなければ宗教的なことでなく、一般的な 話題になる)、アジア系の看護婦さん数人(「コンニチワ」を言いにきてくれた)など、 来客多し。

☆「無菌室(続き)」:今の病院では1年半ほど前にほとんどを無菌室から一般病棟に 切り替えたとのことです。 「無菌室が必要だというのは、高くつく神話だった」と病院スタッフはかつてを振り返ります。

next

*1.National Cancer Center - Cancer Information Service
-5-

☆「米国白血病協会(ルーケミア・ソサエティ・オブ・アメリカ)」と 「米国ガン協会(ナショナル・キャンサー・インスティチュート)」が出している、解説パンフレット (英文)約25種類を入手しました。 ほとんどインターネットでも読める内容ですが、印刷物の方が便利なときもあるでしょう。 どこかのボランティア団体の図書室にでも送付したいのですが、どこに送れば良いでしょうか。 教えて下さい。
 また、NMDP(米国骨髄バンク)が登録患者に送付する資料もなかなか立派なものです。 ニューヨークの自宅に置いてきたのですが、また余裕があったら取り寄せて、同様に送ってもいいですよ。 米国骨髄バンクに「移植病院選定時の参考になる資料を送ってください」と頼んだら、 150ページほどの資料が届きました。 各病院の実績や経験が詳しく記述してあり、成績を直接ヨコ比較することはできないにしても、 かなりのことは分かり、とても参考になるものです。
 日本では病院の実績がほとんど明らかになっていませんが、移植成績の比較はどうやって行いますか。 何がベストか100%明確にならないにしても、できれば名医にかかりたい、 できれば成績が高いところで治療したいというのは、患者としては切実な感情ですよね。 一方で、「何かのご縁で、良い先生にたまたま出会う」というのも重要な要素ですが。

☆看護婦さんが、一冊の本を下さいました。米国の移植病棟での看護状況を知るための良い参考書です。

「骨髄移植の看護」

フレッドハッチンソンがん研究センター編
日本語版監修 浅野茂隆他
王 伯銘、中瀬古知昭 訳
発行所:かまわぬ書房 発売所:星雲社

*看護者向けの本ですが、患者が読んでも、自分が受けている治療を知るための参考になる。 まだ、ハッチンソンが無菌室を使っていたころに作られたものですが、内容的にはほとんど 陳腐化していないような気がします。 訳者は移植医で、ハッチで研修を受け、そのときこのマニュアルを持ち帰って翻訳をされたそうです。

next

☆骨髄移植の未来についてトピック少し。
 今の病院では、自家骨髄移植以外の移植でも、骨髄から骨髄液を採取するのでなく血液から血液の 幼若細胞を集める、末梢血幹細胞移植を推進しはじめています。 今は血縁ドナーの場合ですが、そのうち非血縁にも拡大するでしょう。麻酔リスクがなくなります。 ただし、採取にG−CSF(顆粒球増殖因子。ひらたく言うと白血球を早く増やさせるもの) を注射しながら、数日かかります。 全身麻酔をしなくてもいいので、家族の反対でドナーになるのを断念する人が減少するかも知れませんね。
 先月の担当医の専門は、血液の人工培養でした。簡単ではなさそうですが、 目指すところは「患者の正常な血液細胞20個ほどを採って大量に増やし、移植する」とのこと。 ひょっとして、実現すれば、骨髄バンクは不要になるということでしょうか。 10年後に血液疾患治療はどうなっているのでしょうか。

☆「有名人効果」。

 有名人がある病気になると、その病気への社会の理解が高まったり、寄付が増えるという効果が ありますね。 米国ではエイズのマジック・ジョンソン、脊髄損傷全身麻痺のクリストファー・リーヴ (スーパーマンの役者)などがあります。クリストファー・リーヴの活動で、関係協会への寄付金が 4倍になったそうです。 血液疾患・骨髄移植では、日本でもおなじみのホセ・カレーラス(ハッチで自家骨髄移植をしました。 スペインで骨髄バンク支援財団をつくったり、世界中でチャリティコンサートを開くなどの活動に 取り組んでいらっしゃいます)やカール・セイガン(いまハッチで治療中です。先日もおみかけしました) (注:その後、ハッチで死去)などがいますね。米国のボーンマロートークでは、 「誰か超有名人が骨髄移植をしないかな」などという、ちょっと不謹慎とも思える発言がありましたが。
 日本では夏目雅子(昔、大のファンでした)や渡辺謙の名前が浮かびます。 渡辺謙さんは、その後、寛解を維持しているのでしょうか。どなたかご存じですか。
 あっ、そうか。有名人が病気にならなくても、みなさんがやっていらっしゃるように、有名人に理解して協力してもらえば、いいのですよね。

next

-6-

「移植後6日目〜10日目」

「移植後6日目」

 口内炎痛い、痛い。普通のモルヒネの効きがいまひとつで、デローディッドというモルヒネ化合物に 切り替える。口から喉や頬にかけて腫れてきて、はた目にも気の毒。なぐさめにならないが、 回りの患者もみんなそうだから、頑張って欲しい。お医者さんは「順調です」ばかり。
 予定どおり免疫抑制剤のメタトレキセート(MTX)追加投入。 一度、動悸が亢進してEKG(心電図の詳しいやつみたいなの)を調べるが、単に輸液投入の スピードが早かっただけという結論。ほっとする。
 今日もシャワーとエキササイズのあとは調子が上がった。血圧もかえって平常になる。 子供と「風の谷のナウシカ」見る。日本語の宿題は、私がなんとか子供にやらせる。 いつも子供と病院の食堂の食事をとるが、今日の日替わりメニューは、珍しく悪くなかったなあ。

☆「いずごも経費削減の波」:
 今日から病院の体制がひとつ変わった。アシスタント・ナースが導入されたのだ。 ベッドメーキングや検温などはアシスタントがやる。そして、ナースは「本当の看護」に集中する。 全体としては、もちろん費用削減になり、病院経営が合理化される。 どっかで日米統計比較を見たことがあるけど、日本は人口あたりのベッド数が米国の数倍で、 看護者が数分の1。 日本の病院は全体として、簡単にいうと「素泊まり旅館」化していると言いますか。 日本や欧州に比べて、米国のナースは専門職の度合いが高いと言えるでしょう。 かなり医療行為に近いことを行いますし、医者に自分の意見をどんどんぶつけます。 雑用をこなすスタッフが数種類いて、ナースの仕事をどんどん軽減しています。 米国もナース不足に悩みましたが、近頃、フィリピンやシンガポールから大量に看護資格者を 「輸入」して、不足を補いました。仕事の重要さに比べて、給与が高くないというのはいずこも 同じでしょう。
 骨髄移植専門ナース10年のキャリアのナースなんかがつくと安心。 インターンや新米の若手医師を仕込んでいることも少なくない。みんな気さくで冗談ばかり言っているし、 患者が辛そうなときはハグ(抱きしめること)してくれます。
 米国病院を襲う合理化の波の話は、いずれまたじっくり。

next

☆「アレルギー・花粉症の話」:「免疫の意味論」(多田富雄)の中の花粉症についての記述も面白いですよ。 150〜164ページ。
要点は次のくだり。
 「はなをたらした少年の免疫系は、恐らく副鼻腔に住みついた細菌に対して、IgG生産を中心と する免疫反応を行っていたはずである。そのために少年の免疫系は精一杯働いて、 花粉のような弱い抗原に反応し無用なIgEを生産するような余裕はなかったのではないだろうか。 アレルギーが増えたのは衛生状態の改善と抗生物質の普及によって、強力な抗原である雑菌が 上気道から駆逐された結果、無菌状態でも強く起こるIgEの生産が高まったからではないか、 と私は考えている。IgEは、もともとは大型の寄生虫の感染などに際し、それを拒否し、 消化管などから洗い流すときににみ有用であったと言われている」

☆「患者家族の子供への説明」:こっちでは、子供に親の病気について本当のことを伝える、 子供が質問をする前に事前になるべく説明する、ことが良いこととされています。 また、親の病気について人にしゃべることを禁止することも、子供の心に負担をかけるとされます。
 うちも自然にそういう姿勢でのぞみ、うちの6歳の子は、ガン、白血病、骨髄移植、免疫という言葉が ぽろぽろ口から出てきます。基礎は理解しています。 子供のHLAタイピングをしたときも理由を説明しました。患者の脱毛なんかに関しても、 いいかげんなことを言わずに、しっかり説明します。
 一般的に、米国では子供に精神的トラウマ(外傷)が残らないように、気をつかいます。 子供の心配や怒りを、自然に表現させ、それを受けとめるように奨めます。 米国人は、不安が水面下にたまるのがもっとも良くないと信じているようです。 万が一、子供が大きな不安を抱いたり、何らかの精神的問題の兆しが見えたときは、 小学校には必ずスクール・サイコロジスト(精神分析医)がいますし、病院のソーシャル・ワーカーも こうした相談に乗り出します。
 また、子供になるべくこれまで通りの日常生活を維持させることをよしとします。 学校にはちゃんと行かせ、患者から隔離せず、親が調子が悪くてもなるべく接しさせ続けます。 子供にとって「いったい何が起こっているのか分からない」という状態にならないように注意します。
 うちは最初からわりと何でも説明してきたので、かえって簡単でした。 今までのところ、子供は精神的に何のダメージもなくやってきています。 自然体でこういう感じでやって、悪くなかった。嘘の説明をするとどんどんつじつまを合わせるの がややこしくなってきますから。それにしても、子供の理解力や適応力には本当に敬意を抱きます。
では、また。

next

-7-

「移植後7日目」

 子供のクラスメートの兄弟に水疱瘡が発生。 学校に行ったら、入り口で事務員が「学校に入っちゃダメ」とストップをかけてくれた。 事務室から学校に出てよいか、お医者さんに電話。紆余曲折があったが、結論は、授業に出ても、 患者に面会してもOK。
 最初、医者がうちの息子がまだ水疱瘡にかかってないと思いこんだので話はややこしくなった。 「厳密に言えば、他のクラスメートも息子さんも保菌しているかもしれない」 「最大4週間は、離した方が良いかも」「すぐに生ワクチンを打とう。 3日ほどは学校を休み、患者と面会も不可」などなど。 内心、「えーっ。どうやって妻と子供の面倒をみればいいのだろう」とパニック。 でも、ちょっと待てよ。「先生、うちの子は2年前に水疱瘡やりましたんですけど」。 そしたら、先生焦って、「それなら、全然かまいません。すぐ子供をクラスにやりなさい。 さようなら」で一件落着。
 学校関係者やお医者さん、お騒がせしてすみません。
 考えてみれば、要するに患者を無菌室で隔離してしまえば、こんな苦労はない。 でも、こうやって「リスクをむやみにさけて、他にしわ寄せをするより、何とかリスクを コントロールしながら全体の質をあげよう」というのが、ここでの思想なのだ。
 口内炎は進行。口内炎が出るとは聞いていたが、口がちょっと荒れるぐらいだと思っていた。 これじゃ口内爆発だ。移植は甘くない。マウスケアするのもなかなか辛いものだ。 昨日、ステロイドを減らしたいという妻の希望で、アムホテラシンの副作用を抑えるための 前投薬を試みにゼロにしたら、久しぶりに副作用のシェークが出た。 そこで、これからはゼロではなく従来の半分の前投薬に設定することになった。
 今日検査した胸部X線、心エコーなどに問題なし。少し熱があるが、それ以上は上がらない。

では、また。

next

「移植後8日目」

 口内炎の痛みとの闘い。痛くても口をゆすぐことが感染症を防ぐため大切とのこと。 1時間に1回やるように指示される。これが言うほど楽ではないようす。口内炎にも関わらず、 経口でしかもらえない薬があり、飲むのに一苦労。平熱。血小板輸血。 医者は「順調で問題なし」としか言わない。口内炎ごときに、もっと何か良い対処法ないのか、 と思ってしまうのだが。
 だいたいベッドで痛みをこらえて寝ているが、シャワーとエキササイズなどはこなした。 とにかく「できるだけ活動して、大きな呼吸をすることが感染症予防に重要」と強調される。 外から「雑菌を吸い込まないか」と心配しがちだが、肺の奥を使わないと、 内にいる菌などが「暖かくて静かなところがあって居心地がよい」とばかりに住処にするとのこと。 敵は外でなく内にいるかも知れないわけだ。スキを見せないように頑張るのみ。

☆こちらの看護婦さんは「一日12時間勤務、週3日勤務5日休み」です。 看護婦さんと馴染みになったと思うと5日ブランクがあるので、けっこう、ややこしい。 一人の看護婦さんが1〜2人の患者を見ます。日本の移植病棟の看護婦さんはどういうシフトですか。

では、また。

「移植後9日目」

 相変わらず口内炎がメインテーマ。痛みをこらえて、うがいなどのマウスケアをする。 痛いがこれを怠ると、感染症などを引き起こす可能性があるので、モルヒネをどんどん使ってやる しかない。 今日は、血小板の数値はボーダーライン以上で輸血なし。血液比重が少し低いので、 赤血球を2ユニット入れる。 対菌類対策のアムフォテラシンは毎日続けている。胸部X線問題なし。

next

-8-

「移植後10日目」

 今日の関心は腎臓。 免疫抑制剤のサイクロスポリンと、菌対策のアムフォテラシンで腎臓を疲れさせたので (両方、腎毒性がある)、今日は腎臓のための休息日。サイクロスポリンとアムフォはお休み。
 口内炎おさまらず。口内炎の主たる原因であるもうひとつの免疫抑制剤のメタトレキセート(MTX) は明日の分は投薬中止の方向。免疫抑制剤を減らすのは不安な気もするが、 これは珍しいことではないという。 骨髄移植後にもっとも警戒しなければならない、GVHD(移植片対宿主病)が出るとしたら 16日目あたりからだが、GVHDが出始めたらステロイドの抗炎症剤であるプレドニゾンなどの 追加で抑えることになる。 口内炎は口から喉の方へ中心が移っているようす。
 全体に昨日よりは活動的。少しエキササイズもしたし、かなりしゃべれるようになった。 昨日は子供の相手になるのもつらかったが、今日はまし。みんなで「マイティ・ダックス2」を見る。
 血小板と赤血球を輸血。
 とにかく、高熱を出すこともなく来ているし、内臓に大きな問題が出始めていないのは、 とてもうまく行っているということらしい。

☆繰り返すまでもないですが、私が「無菌室」をテーマにしたみなさんとのやりとりで感じたのは、 たとえば次のようなポイントです。すべて仮説ですが。

◎1:日本では患者を人間として扱う「ヒューマンウエア」がまだ開発途上かもしれない。 (医者の立場が絶対的すぎて、患者からの視点がおろそかになっている。 もちろん、米国でも完全だとは言えません。北欧などがもっと優れているかも)。 ヒューマンウエアの善し悪しは患者の闘病意欲ひいては治療結果にも影響する可能性があるかも知れない。 成績が同じなら、患者が快適なのにこしたことはない。

next

◎2:「無菌室」が足りないことが骨髄移植のひとつのネックになっているが、無菌室が必要だと いうのは「神話」である可能性がある。病室待ちがあるから、骨髄バンクのコーディネート時間短縮に 力が入らないというのが本当かも知れない。 また、大都市圏では無菌室が不足し、地方都市では比較的空いているのではないか。 日本の平等ばらまき政策が、不都合を起こしている?。 厚生省や国、地方自治体、地方中核病院が無菌室拡充政策を打ち出したばかりなので、 「無菌室が必要ないかも知れない」とは誰も言い出せないのではないか。 普通病棟で骨髄移植が行われれば、同じ骨髄バンク人口(登録ドナー数)でも、 もっと治癒できる人が増えるのではないか。

◎3:日本において骨髄移植に無菌室が必要かどうかという研究が真剣に行われているのかどうか。 日本では必要だとしたら、なぜか。無菌室なしでできる気候の場所はないのか。 (米国で無菌室が不要だとなった根拠の論文はどれか。日本ではやはり無菌室が必要だとする論文が 存在するのか、単に研究されていないのか) (米国では暑いテキサスでも人種のるつぼのニューヨークでも多湿のフロリダでも、 全国的にすべて無菌室は使っていないのではないか。たとえばイタリアではどうなのだろう)

◎4:今のところ日本の骨髄バンクのコーディネートに比較的時間がかかるので、日本の医師は、 診断後すぐすみやかに、骨髄移植が適格であると考えれば、米国骨髄バンク(NMDP)などでも 速やかにサーチを開始すべきではないか。 そして、海外からの骨髄提供が増えれば、日本の骨髄バンクも刺激を受けて、改善が進むのでは ないか。
 −−といったことです。

では、また。

next

-9-


目次