化学療法とあなた:化学療法中に役立つガイドブック

原題 : Chemotherapy and You
--------- A Guide to Self-Help During Treatment
--------- National Institutes of Health
--------- National Cancer Institute
訳者 : 撫子なんちゃん

おことわり(免責条項)
1.なるべく言葉や意味を正確に翻訳することを心がけていますが、内容については保証するものではありません。海外と日本では治療法や使用される薬が異なるばかりで はなく、社会的環境も異なります。あなたの主治医と話し合ったり、各種団体の相談窓口を利用するなどして、ご自身あるいはご家族に対してここにあげた情報がどのように適用できるかご判断ください。
2.原典の各発行元には、日本語への翻訳に関して了解を得ていますが、各発行元が日本語に翻訳された情報の保証をするものではありません。
3.訳者、編集者、監修者などはこの翻訳内容と、それによって引き起こされたことに対して、いかなる責任も負いません。


 この手引きは患者さんや、家族、友人のみなさんに、化学療法やガン治療の薬の使用について理解していただくためのものです。これを読めば、ガン治療の方法について知りたいことが色々とわかると思います。  また、化学療法期間中に、どんな風に過ごしたらよいのかもわかっていただけると思います。
 化学療法を受けているときに、自分の身体に注意を払うことは、次のような点から大事なことだといえます。一つには、自分が受けている治療法による副作用を軽減できるからです。おわかりになると思いますが、ほんのちょっとした秘訣が、あなたの体調に大きな違いを生むことがあります。しかし、こうした自助がもたらすものは身体的な利益だけではなく、精神的な面での利益もあるのです。 自分の体を気づかう方法を知っていれば、「自分に起きつつあることの多くが自分ではコントロールできないものだ」という沈んだ思いでいるときに、気分をもち直すことができます。そのような思いは、あなた自身が医師や看護スタッフと協力することで、自分の幸福を築いていけるのだと気づくことで処理しやすくなります。
 この『化学療法とあなた』を読めば、あなた自身が自分の治療について十分な説明を受けた医療のパートナーになることができます。しかし、これが単なる手引きにすぎないことも忘れてはなりません。自助というものは決して専門的医学的治療にとって代わるものではありません。化学療法について疑問に思うことは医師や看護スタッフに何なりと必ず聞くように、また、自分の身体に何か副作用が現れてきたら必ず伝えるようにしてください。
 この手引きの中には役立つ部分がいくつかあるでしょう。「化学療法の医療費支払いについて」(7章。訳注:日本と事情が異なります)では、保険やその他の支払方法に関する情報が書かれています。「情報源」(訳注:米国内の情報源ですので訳していません。代わりに日本の情報源を末尾に付けました)では、ガンについてもっと情報を得る方法や、ガン患者とその家族が利用できるサービスを見つけだす方法がわかります。太字で書かれている用語はクリックすれば「用語集」のところで語義がわかります。「用語集」には、ガンや化学療法に関連してたくさんの用語説明が書かれています。(訳注:未翻訳です。ただし、この「ひらかれたコミュニケーションのための医療情報」のほかの編には用語集がついているものがあります。そちらを参照してください)。  抗がん剤に関するファクトシートは米国立ガン研究所から無料でもらえます(情報源の項参照)。

1、化学療法をよく知りましょう

化学療法って、いったい何?

 化学療法とはガンの治療のために薬を使用することです。 ここで使われる薬はいわゆる「抗がん剤」といわれるものです。

化学療法はどう作用するのですか?

正常な細胞は一定の規律をもって、成長し死んでいきます。ところが、ガンがおこると細胞は異常で分裂をしつづけ、全く無秩序にどんどん増えつづけます。抗がん剤はガン細胞の成長や分裂を、その細胞成長サイクルの一過程(以上)において阻止することでガン細胞を壊します。抗がん剤の中には単独より併用した方が効果がよくなるものがあり、化学療法では数種類の薬が組み込まれていることが多いのです。これは多剤併用療法といわれます。
 化学療法に加えて、ガンの治療には他の治療もときどき加わります。例えば、腫瘍を取り除いたり、ガンによって出ている症状を緩和するために、外科手術を受けた方が良いと進められることもあるでしょう。また、ガンの治療や症状改善のために放射線照射を受けることもあるのです。ときには、下に書いたように、化学療法と外科手術と放射線照射を組み合わせて受けるよう勧められることもあります。  ガンの治療には抗がん剤だけでなく他の種類の薬も使われます。それにはホルモンの影響が及ばないようにする薬が含まれます。あるいは本来、身体に備わっているガンに対する自然治癒力(防御力)を高める生物学的療法を用いることもあります。

化学療法で、得られるものは何ですか?

ガンの種類と進行の度合い(病期)にもよりますが、化学療法は次のような目的で使われます。
・ガンを治癒させるため
・ガンが転移するのを防ぐため
・ガンの成長を遅らせるため
・原発の病巣から身体のほかの部分へと転移しているかもしれないガン細胞を殺すため
・ガンによって起きている症状を緩和させるため
化学療法は患者さんが、より楽に過ごせるようにも役立ちます。これは緩和療法として知られています。

私のガンは化学療法だけ受ければいいのですか?

 ときには化学療法しか受けない人もあります。しかし、化学療法は外科手術や放射線照射に加えて用いられることの方が多いのです。この場合、化学療法のことを補助療法といいます。ほかの治療に加えて化学療法が用いられるのには、いくつか理由があります。例えば化学療法は外科手術や放射線照射の前に腫瘍病巣を小さくしておきたいときに用いられます。また、術後や照射後に、まだ残っているであろうガン細胞を殺すためにも用いられます。

私が受ける薬はどれですか?

 主治医の先生がどの薬が、またどの組み合わせがあなたに一番効果的な薬かを決めるのです。あなたがどんなタイプのガンにかかっており、どこが病巣であり、その進行の程度はどうか、ガンが正常な身体の機能をどのように侵しており、全身的な健康状態はどうか、などを考慮して決められます。
 主治医の先生から化学療法の臨床試験に参加するよう勧められたり、あなた自身がその選択を医師に提案しようと思うこともあるでしょう。臨床試験は、良い成績を上げる見込みがある新しいガン治療法を試験するために、慎重に計画された研究調査です。これに参加する患者さんは、その改良された治療法の利益をうける一番手になることもあるでしょう。また、こうした患者さんたちは、この研究の成果がこれから多くの人を助けることになれば、医療に重要な貢献ができるのです。患者が自分で「参加」を選択さえすれば、治験に加わることができ、またいつでも自由にその治験から抜けられます。  臨床試験についてもっと知りたい人は米国立ガン研究所の「ガン情報サービス」に電話して「臨床治験とはなにか?」という冊子を求めてください。「患者から患者へ:ガン臨床治験とあなた」というビデオもあります。このビデオをみれば、臨床試験に参加することへの不安もとけるでしょう。「ガン情報サービス」の電話番号は1-800-4-CANCER (1-800-422-6237)です。

化学療法はどこで受けるのですか?

 化学療法は家でも、かかりつけの医師のところでも、診療所でも、病院の外来でも、また、入院しても受けられます。どこで化学療法を受けるかは、あなたにどんな薬を使っているか、そして病院の方針や、主治医の志向によって変わってきます。初めて化学療法を受けるときには、医師が薬の効果を良く観察し、必要な調整をするために、短期間病院に入院する必要があるかもしれません。

どのくらいの回数(間隔)、またどのくらいの期間、化学療法を受けるのですか?

 どのくらい化学療法を受けるかは、あなたのガンのタイプや、治療の目標、使用する薬剤、そしてあなたの身体が治療にどの程度反応するかによって違います。化学療法を毎日受ける人もあれば、週ごとの人もあり、月ごとの人もあるのです。化学療法は、投薬と休薬の繰り返しで、(抗がん剤でたたかれた)身体が健康な細胞を作り出し回復するための休薬期間も、組み込まれています。主治医の先生は、あなたがどのくらいの期間、化学療法を受けるのか見積もることができます。
 医師が処方した治療計画がなんであれ、それをきちんと守ることがとても大切です。そうでなければ、抗がん剤は期待された効果を発揮できないでしょう。もし、一連の治療や一回の投薬(服用)を抜かしてしまったら、医師に連絡して、どうするべきか指示を受けましょう。
 医師はあなたの血液検査の結果から判断して治療を遅らせることもときにはあります。(注:肝機能が落ちていたり、好中球が少なすぎたりするなど、色々な状態があります)。その間にどうしているべきか、またいつ治療を再開するかは医師が教えてくれるでしょう。

化学療法はどうやって受けるのですか?

 ガンのタイプや受けている薬によって、あなたが受ける化学療法は、次のいずれか(ひとつ、あるいはそれ以上)の方法になるでしょう。
静脈注射(IV)
 通常、手の甲や下腕の静脈に入れた細い針を通して、薬を入れます。静脈注射を受ける他の方法としてはカテーテル――細い管を身体の太い静脈に入れて必要なだけの期間、そのままつけておく――を使う方法があります。このタイプのカテーテルは中心静脈カテーテルといわれるものです。中心静脈カテーテルはポート(小さなプラスチック製か金属製の入れもので外科手術で皮下にうめこまれる)にとりつけられるときもあります。
経口(PO)
 錠剤や、カプセル、あるいは液剤などを経口で服薬する方法です。ほかの飲み薬と同様に、飲み込むだけです。
筋肉注射あるいは皮下注射(IMあるいはSQ、SC)
 筋肉や皮下あるいは、直接に皮膚のガン病巣部位へ投薬します。注射によって行います。
塗布
 ときに局部的に、皮膚に塗布します。

 身体の特定の部位にカテーテルを用いて抗がん剤を投与することがあります。カテーテルは脳脊髄液、腹腔内、膀胱内、肝臓などに届くよう置かれます。カテーテルの種類について話すとき、医師やナースさんは専門的な用語を使うでしょう。たとえば、髄腔内(IT)カテーテルは薬を髄液に届かせるために用いられ、ICカテーテルは腹腔、骨盤、胸部などに置かれるものをいいます。
 外部と内部の二種類のポンプがあり、化学療法剤の薬剤到達速度をコントロールするために用います。外部のポンプは体外にセットするものです。 携帯式のものもあり、患者さんはポンプを使用中でも動き回ることができます。携帯式でない外部ポンプの場合は、活動が制限されます。内部ポンプは外科手術で体内にセットされ、通常は皮下に置かれます。内部ポンプには薬をカテーテルに送り出す貯蔵域(reservoir)があります。内部ポンプにより患者さんの日々の生活は活動的なものになります。

化学療法は痛いのですか?

 化学療法剤を経口で飲んだり、皮膚に塗布したり、注射をしたりするときは、一般的にはほかの薬を同様に投与したときと同じような感じです。静脈注射をするときは、血液検査のときに採血するのと同じような感覚です。静脈注射で薬が入るときに、注射部位に冷たく感じたりちょっと変な感じがしたりする人もあります。そのようなことがあれば申し出てください。また、痛みやしゃく熱感(焼けるような熱い感じ)、不快感が静脈注射中か注射後に起きたら、必ず言ってください。
 ほとんどの人は手の甲や下腕に静脈注射の針を刺すことに、ほとんどあるいはまったく問題がありません。しかしどんな理由であれ、治療のたびに針を静脈に入れるのが、とてもつらかったり、難しくなった場合には、中心静脈カテーテルやポートを使うことも可能です。
 中心静脈カテーテルやポートは、適切な処置がなされていさえすれば、普通はその存在がわかるものの、痛みや不快感はありません。カテーテルやポートをしていて、痛みや不快感があれば、どんなことでも医師または看護スタッフに伝えることが重要です。

化学療法期間中に、他の薬を飲んでもいいですか?

 化学療法の薬の効果に影響する種類の薬もあります。ですから化学療法が始まる前に主治医に、現在服用している薬のすべてをリストアップしてもっていくべきです。そのリストには薬の名前、何回飲むのか(頻度)、なぜ飲んでいるのか、そして量はどれだけかを書きましょう。忘れてはならないのは、薬局で買った下剤、風邪ぐすり、鎮痛剤、ビタミン剤などもリストに挙げることです。化学療法を始める前にこうした薬をやめるべきかどうかは医師から指示があるでしょう。 治療が始まったら、何か別の薬を飲むときや、すでに飲んでいる薬を止めるときには、必ず事前に医師に確認を取ってください。

化学療法の期間中、仕事をして良いですか?

 抗がん剤で治療を受けていても、ほとんどの人は仕事を続けることができます。
 治療を受ける時間を(勤務が終わったあと)遅くすることもできますし、週末の休みの前に受けられるようにスケジュールを組むこともできますから、仕事への影響は最小限にできます。
 化学療法を受けてとても疲労感がでるならば、仕事の方のスケジュールをしばらくの間、調整したいと考えることもあるでしょう。こんなときにはあなたの要求と希望を雇用主と話し合ってください。 パートタイムのスケジュールなら無理なく働けるかもしれませんし、仕事を部分的に自宅ですることも可能です。
 米国連邦法・州法では、ある一定の条件下の雇用主は、従業員が治療のために必要ならば、フレキシブル制の勤務を可能にするように義務づけられています。就業保護について知りたい場合は、地元の米国ガン協会か、ソーシャルワーカーなどにたずねてみましょう。米国立ガン研究所の出版物のひとつである「将来にむかって:ガン闘病後の生存者のためのガイド」にも、就労・勤務に関した情報が提供されています。

化学療法が効いているかどうかは、どんな風にわかるのでしょう?

 主治医の先生や看護スタッフは、どの程度治療の効果が出ているかの判断に、いくつかの方法を用います。あなたは、内科検診や血液検査、スキャン、レントゲンなどの検査を頻繁に受けるでしょう。 検査の結果や、その結果から病状がどう良くなっているとわかるのかを医師に尋ねるのをためらわないでください。 検査によって化学療法がどう効いているのか多くのことがわかりますが、副作用からわかることはほとんどありません。吐き気や脱毛などの副作用は、化学療法がガン細胞だけでなく正常な細胞にも害があるから起こるのです。副作用がないから薬が効いていないのではないか、あるいは、副作用があるから薬が効いているのではないか。そう考える人がいますが、副作用の出方は人や薬によって大きく異なりますし、副作用があるかないかは、通常、化学療法が効いているかどうかを示すものではありません。
 もしあなたに副作用が出れば、それらを和らげるためにできることが沢山あります。次のセクションでは化学療法の一般的な副作用とそれに対処するためのヒントをあげましょう。

2、副作用に対処する

 副作用についてわからないことがあっても、決してあなたは一人きりではありません。化学療法がはじまる前に、ほとんどの人が、副作用があるかどうか、もしあるならばそれはどんなものなのかを心配します。いったん治療がはじまってからは、副作用が出た人は、それに対処する最善策を知りたいと思います。ここではそんな質問への答えが、ある程度見つかるでしょう。
 ここを、まだ化学療法が始まる前に読んでいる人は、書かれている副作用があまりに広範囲に及んでいるので閉口してしまうかもしれませんね。でも、覚えておいてほしいのです。皆さんにすべての副作用が出てくるわけではなく、あるとしてもごくわずかしかでない人もあるのです。さらに、副作用発現の強さの程度は人によって大きく違います。ある副作用が出るか出ないか、それがどんな程度のものかは、あなたが受けている治療の薬の種類や、あなたの身体がその薬物にどの程度反応するかによって違ってきます。あなたが受ける化学療法では、どんな副作用が起こりやすく、どのぐらいの期間それが続き、どれくらい深刻なもので、どうなったときに医者にみてもらわないといけないのかを、必ず主治医や看護スタッフにたずねてください。

どうして副作用は起きるのですか?

 ガン細胞は急速に分裂増殖していきますから、抗がん剤は速いスピードで成長していく細胞を殺すようにつくられています。しかし、正常で健康な細胞のなかにも、急速に増殖していくものもありますから、化学療法はこれらの細胞にも影響してしまうのです。そうしたときに、副作用が出てくるのです。速く成長している正常細胞でもっとも影響を受けやすいものは、骨髄で形成される血液細胞と消化管、生殖系、毛管などの細胞です。抗がん剤はさらに、心臓、腎臓、膀胱、肺、そして神経系の細胞にも損傷を与えます。化学療法のもっとも一般的な副作用は吐気、嘔吐、脱毛、疲労感です。その他のよくある副作用としては、出血傾向、感染症にかかりやすいこと、化学治療による二次性の貧血などです(別文書の「疲労感」と「貧血」を参照)(訳注:「疲労感」は間もなく「ひらかれたコミュニケーションのための医療情報プロジェクト」から日本語訳も出ます)。これらの副作用は化学療法中に血液細胞(血小板、白血球、赤血球)に変化が起こることから生じてきます。

副作用はどのくらい続くのですか?

 正常細胞の多くは化学療法が終わると急速に回復しますから、ほとんどの副作用は治療が終わると次第に消失していき、健康な細胞が正常に発達していきます。副作用を乗り越え、体力を取り戻すのにかかる時間は個人差があります。どのくらい経過すれば、気分がよくなるかは、個人の全体的な健康状態や使ってきた薬の種類など、さまざま要因によって左右されます。
 多くの副作用はかなり急速に消失していきますが、完全に消えるのに何カ月も何年もかかる副作用もあります。副作用が生涯残ることもときにあります。それは化学療法が、心臓や肺、腎臓、生殖器官系に不可逆的な損傷を与えたような場合です。ある種の化学療法では抗がん剤を用いたことにより何年も後になって出てくる二次発ガンなどの遅延副作用(晩期障害)が起きてきます。
 患者さんたちの多くは、化学療法が原因で長期にわたる問題をかかえこむようなことがないことを、忘れないでください。また、医師たちが化学療法によるもっと深刻な副作用を防ぐために相当な進歩をとげてきたことを知ると、安心できることでしょう。例えば、化学療法がガン細胞に及ぼす強力な効果をさらに強くできて、一方では健康な細胞に与える有害な作用を減らせるように、新しい薬や技術が用いられています。
 化学療法の副作用はありがたいものではないですが、ガンに対する治療効果と比較して評価しなくてはなりません。化学療法を受けている人たちはときどき、その治療に要する時間の長さや現れている副作用に落胆させられます。そんなときには主治医と話し合いましょう。薬や治療スケジュールが変えられることもあります。あるいは先生が副作用を軽くしたり、それを我慢しやすいものにするための方法を提案できることもあります。しかし忘れてならないのは、あなたに起きてきそうなトラブルを考慮したうえで、それに勝るよい効果が期待できるのでなければ、主治医があなたに治療を続けなさいということはないということです。
 以下にあげるのは化学療法による一般的な副作用を対処するための提案です。

吐気と嘔吐

 化学療法は、胃や脳の嘔吐反応を制御する部分などに影響を及ぼすので、吐気を感じさせたり嘔吐させたりします。化学療法に対するこの反応は患者の個人差や使用している薬剤によって差があります。例えば、全く吐気も感じず、戻すこともない人もあります。また、ほとんどの期間なんとなく吐気を催している人もあれば、治療中あるいは治療後に、ごく限られた時間、とても激しく吐気を催す人もあります。その人たちは治療の直後か数時間後に兆しが現れてきます。数時間だけ気分が悪い人もあれば一日中悪い人もあります。とても強く吐気を感じたり、1日以上もどしつづけたり、吐気が強くて水分をとることさえできないようなことが、ひとつでもあれば医師や看護スタッフに話してください。
 吐気や嘔吐はほとんどの場合、抑えたり軽くしたりすることができます。この副作用が現れたときには、医師が鎮吐剤といわれる類の薬物から選択して、あなたの吐気や嘔吐を抑えることができます。人によって効く薬が違いますから、症状がおさまるものを見つけるために、何種類かの薬を試す必要があるかもしれませんが、あきらめないことです。あなたに一番あった薬を見つけるために、医師、看護スタッフと一緒に頑張りつづけましょう。

 以下のようなことも試してみるとよいでしょう。
 おなかが満腹感を感じてしまわないよう、量が多い食事をとるのは避けましょう。1日1回、2回、または3回の大食をするのではなく、一日中通して少しずつ食べるようにしましょう。食事の前後1時間どちらかに水分をとるようにして、食事のときには一緒に飲まないようにしましょう。そして飲むのも食べるのもゆっくりと。 甘いものや、油で揚げたもの、油の多い食品は避けましょう。強いにおいに悩ませられなくて済むように、食べものを冷やしたり、室温程度にまで冷ましてから食べましょう。
 消化しやすいようによく噛んでたべましょう。朝に吐気がある場合は、起きる前にシリアル、トースト、クラッカーなどの乾燥した食品をとってみてください(口の中やのどが痛む場合や、唾液の分泌が少なくて困っているときにはこの方法は取らないでください)。冷たく冷やした透明の(果実繊維の入ってない)りんごやぶどうのフルーツジュースとか、色の薄いジンジャーエールのような炭酸ジュースで、炭酸の泡を飛ばしたものをのみましょう。氷を浮かべたりミントを浮かべたり、タルトキャンディーを使ってみましょう(口やのどが痛いときはタルトキャンディーはだめ)
 料理中のにおいや煙、香水など匂いのきついものは避けましょう。調理をしたくないときのために、数日前に作って冷凍しておくのもよいです。食事をとったら椅子でやすみましょう。でも、食べて2時間は横になって休むのはやめましょう。
 身体にゆったりとした服装をしましょう。吐気を感じるときには深くゆっくりと息をしてみてください。友だちや家族とおしゃべりをしたり、音楽を聴いたり、映画やテレビショーを見たりして気分を変えてください。リラクゼーション法をやってみてください(「ストレスを解消する」の章を参照)。
 化学療法の間にいつも吐気が起きてくる場合には、治療の数時間前後は食べものをとらないようにしましょう。

脱毛

 脱毛は化学療法によって起こるごく普通の副作用ですが、いつも誰にでも起こるものではありません。あなたが使っている薬(一種でも数種でも)で、脱毛が起こりそうかどうかは、主治医が教えてくれるでしょう。 脱毛が起きてくるときは、髪は薄くなったり、すべて抜け落ちてしまったりします。治療が済んでしまえば、髪の毛は、また生えてきます。まだ治療が続いているのに髪が生えてくる人もいます。生えてきた髪が色や質が以前と違うこともあります。
 脱毛は頭だけではなく身体全体に起きてきます。顔、うで、脚、わき、陰毛などすべてにおこります。
 脱毛は普通、治療が始まってすぐに起きるものではありません。数回の投薬を受けていくうちに出てきます。そのときには髪は徐々に抜けていくか、束になって どさっと抜けるかしますが、抜けないで残った髪はつやがなくパサパサすることもあります。

化学療法中にあなたの頭皮と髪を手入れするために

・マイルドなシャンプーを使ってください。
・ヘヤーブラシは毛の柔らかいものをつかってください。
・ドライヤーは低温で。
・髪をセットするときは巻きカールをつかわないでおきましょう。
・染めたりパーマをかけたりせず、髪を短く切りましょう。髪を短くした方が髪が濃くたくさんあるようにみえます。 その方が脱毛が起きてきたときにも処理しやすいです。
・髪がたくさん抜けてしまっているときは、日焼け止め、帽子、スカーフなどを使って日光から頭皮を守ってください。

 髪がほとんど抜けている人では、ターバンやスカーフを巻いたり、帽子をかぶったり、かつらやヘヤーピースをつけたりする人もあります。そのまま何にもかぶらず隠さない人もいます。また、公衆の前に出ていくときと友人や家族と家にいるときとで区別する人もあります。どれがいいとか悪いとかいう選択はなく、あなた自身が心地よい方法をとればいいのです。

頭をおおう場合のヒント

・毛が沢山抜けてしまわないうちにかつらやヘアーピースを入手すれば、自分の自然な髪の色や、毛の流れにあわせることができます。ガン患者専門のかつらやヘヤーピースを扱っている店で手に入れるのもよいでしょう。あなたの家まで出張してくれる店もあるでしょう。カタログや電話での注文もできます。詳しくは米国ガン協会に電話をください。
・買うことよりもむしろ借りることを考えましょう。米国ガン協会の地区支部か、かかりつけの病院の社会福祉部にたずねるとよいです。
・ガン治療のためにヘアーピースが必要になった場合は費用は税控除の対象になり、健康保険で少なくとも一部分はカバーされることを覚えておきましょう。(訳注:日本では医療医療控除の対象になりません)。保険証券の内容を点検してください。
 髪や体毛をうしなうことはつらいものです。それで怒りや落胆を感じても当然ですし、それでいいのです。あなたの感じたことを口に出すことはプラスになります。

倦怠感と貧血

 化学療法は骨髄の赤血球をつくる機能を抑制します。赤血球は身体全体にに酸素を運びます。この赤血球が少ないと身体の組織には活動に必要な酸素が十分行きわたりません。これを貧血といいます。貧血になると、とても虚弱になり疲れた感じがします。めまいや、寒気、息切れなども現れます。こういう症状が出てきたら医師に報告してください。
 主治医は化学療法中、何度も血球数検査をします。赤血球数が少なすぎれば、身体に赤血球を増やすために輸血が必要な場合もあります。
 貧血が出てきたときに、気分が少しでもよくなる方法をあげます。
・十分な休息をとること。夜はたっぷりと眠り、できるなら日中も昼寝をする。
・活動をひかえめにする。あなたにとって本当に重要なことだけをするようにします。
・助けがほしいときに人に頼むのをおそれないこと。子どもの世話、買いもの、家事、運転などは家族や友人に助けてもらいましょう。
・バランスのとれた食事をすること。
・座っているときや、横になっているときはゆっくりと身体をおこします。これでめまいを防げます。

感染

 化学療法によって感染症にかかりやすくなります。これは抗がん剤が感染と闘うための白血球の生産を骨髄抑制することで低下させてしまうからです。感染は、口、皮膚、肺、尿路、直腸、生殖器など、身体のどんな部位からも起こりえます。
 医師は化学療法を受けている間、何度もあなたの血球数検査をします。また、あなたの血球数が正常値をはるかに下回りそうなときは、血球数を増やす効果があるコロニー刺激因子剤を治療にくわえることもあります。しかし、それらにもかかわらず、白血球数は下がることもあります。そのときには医師は治療を延期するか、しばらく投薬量を減らすかするでしょう。
 白血球数が正常値より低いときは、次のような方法で感染を防ぐことが大切です。 ・日中何度となく手を洗浄すること。食事の前とトイレの前後にはとくによく洗ってください。

・排便後は、肛門の周りをやさしく清潔に拭いてください。肛門のあたりがひりひりしたり、痔になったりするようなら医師か看護スタッフにどうするべきか尋ねてください。さらに、浣腸や坐薬を使うときは使用前に医師に確認してください(「便秘」編を参照)。
・風邪や流行性感冒、はしか、みずぼうそうなどの移る病気にかかっている人に近寄らないでください。また、人混みは避けてください。ポリオ、はしか、おたふく風邪、風疹などの生ワクチンを受けて間もない子供たちにも近寄らないでください。(訳注:ポリオは不活性化したワクチンがあります。医師に尋ねてください
・爪の甘皮を切ったり、むしったりしないでください。
・はさみや、針、ナイフなどを使うときにけがをしないように気をつけてください。
・ひげそりは皮膚を傷つけないようにかみそりをやめて電気ひげそりを使ってください。
・歯茎を傷つけないよう、毛のやわらかい歯ブラシを使ってください。
・にきびはつぶしたりひっかいたりしないこと。毎日温かい(熱くない)お湯に浸けるか、シャワーをする、スポンジで洗うなどしてください。肌はタオルでこすらずに軽く押さえるようにして乾かしてください。肌が乾燥してひび割れてくるようであれば、ローションやオイルを使って肌をやわらかくしてください。
・切り傷やすり傷はすぐにお湯と石けんで洗ってから殺菌消毒してください。
・庭いじりや、ペットの世話、小さい子どもの世話などで後始末をするときは、保護手袋をはめてください。
・予防注射は受けてもよいかどうかを主治医にまず確かめてからでなければ、決して受けてはなりません。

 ほとんどの感染症は、通常皮膚や腸管や生殖器などに見られるバクテリアが原因で起こります。感染の原因がわからないものもあります。白血球数が低いときには、感染症と闘うだけの力がないときもあります。どんなに気をつけていても、やはり感染症にかかるかもしれません。
 「感染症にかかったかな」と思う徴候に気をつけ、目、鼻、口、生殖器、肛門周囲あたりに特に気をくばって、自分のからだの様子にかわったことがないか規則正しく気をつけましょう。感染症にかかった徴候には次のようなことがあげられます。

・37.8℃以上の発熱
・悪寒
・発汗
・軟便(化学療法の副作用のこともある)
・排尿時灼熱感
・ひどい咳、のどの痛み
・異常なおりもの、かゆみ
・とくに、傷口、にきび、静脈カテーテル部位などでの発赤、腫れなど

 感染の徴候はどんなことでもただちに主治医に報告してください。白血球数が少ないときはとくに重要です。熱があるときは、医師に確認することなく勝手にアスピリン、アセトアミノフェン、その他の解熱剤を使用しないでください。

凝血障害

 抗がん剤は骨髄が、血を固まらせて出血を止める働きをする血小板をつくるのを抑制します。血小板が十分にないと、ささいなけがでも、普段より出血したり打撲跡がつきやすくなったりします。予期しない打撲による内出血や、皮膚に小さな赤い出血斑、赤やピンクがかった尿、黒っぽかったり血の混じった便などがあれば必ず医師に知らせてください。歯茎や鼻からの出血も同様に知らせてください。主治医はあなたの血小板数を化学療法中、何度も検査します。血小板数が少なければ、その数値を上げるために血小板輸血をするときもあります。
 血小板が少ないときには次のようなことに注意してください。

・医師、看護スタッフに聞かずに何でも薬を飲まないようにすること。これには、アスピリン製剤や、アセトアミノフェン、イブプロフェン、その他の、薬局で処方箋なしに買える薬を含んだ、非アスピリン系の鎮痛剤も含まれます。これらの薬物は血小板の凝血機能に害をおよぼすことがあります。
・医師の許可がないかぎり、アルコール飲料はのまないこと。
・歯磨きには毛のやわらかいものを使うこと。
・やわらかいティッシューでそっと鼻をかんできれいにすること。
・はさみや針やナイフその他の道具類を使うときけがをしないように気をつけること。
・アイロンかけや料理のときにやけどをしないようにすること。オーブンを使うときは分厚いオーブン用手袋をつかうこと。
・けがをするようなスポーツやその他の活動をさけること。
以上のようなことに気をつけてください。

口、歯肉、のどのトラブル

 化学療法中は口内の状態に気をつけることが大切です。抗がん剤は口やのどの痛みをもららすことがあります。またこれらの組織を乾燥させ、刺激し、出血させることもあります。口の中が痛いだけでなく、口中にある細菌による感染をおこしやすいのです。化学療法中は感染に弱くなり重症になりやすいので、万全の予防策をとることが大切です。
 できるなら、化学療法を受け始める前に歯科にかかり、歯をきれいにして、虫歯、膿瘍、歯周病、きちんとあってない入れ歯などは治しておくとよいでしょう。化学療法中の歯磨きの仕方やデンタルフロスの使い方を教えてもらいましょう。化学療法を受けると以前より虫歯ができやすくなりますから、歯科医は虫歯予防のために毎日、フッ素配合の洗浄液や歯磨きジェルを使うようにいうこともあります。

・毎食後、歯と歯茎を磨きましょう。やわらかい歯ブラシで優しく磨きます。きつく磨くとやわらかい口内の組織に傷がつきます。あなたの歯茎がとても敏感性のときは医師、看護スタッフ、歯科医に適切な歯ブラシや歯磨きを勧めてくれるようたずねます。
・歯ブラシは毎使用後、きれいにすすぎ乾燥した場所に置きます。
・市販の口腔洗浄液は多量に塩やアルコールを含んでいるので避けましょう。あなたが使っても良いマイルドな洗浄液は何かを医師、看護スタッフにたずねてください。

 次に、口の中、歯茎、のどを健康に保つための提案をします。口の中が痛むときは薬で治療が必要なときもあるので、医師、看護スタッフに必ず言ってください。痛みがきついときや食事ができないときは次のようなことをためしてみるのもよいでしょう。
・痛いところに直接塗れる薬などがないか聞きましょう。また、痛みを和らげる薬が出せないか尋ねてみましょう。
・食べものは冷やすか、室温にまで冷まして食べましょう。熱いものや温かいものは敏感な口やのどには刺激になります。
・やわらかく、傷に優しい食べもの、例えばアイスクリームやミルクシェーク、ベビーフード、やわらかい果物(バナナ、すりおろしりんご)、マッシュドポテト、調理加工したシリアル、温泉たまご、スクランブルエッグ、カッテージチーズ、マカロニのチーズ煮、カスタードクリーム、プリン、ゼリーなどを選びます。
・また、調理した食事をミキサーに入れて、滑らかな食べやすいピューレ状にすることもできます。トマト、柑橘類、フルーツジュース(オレンジ、グレープフルーツ、レモン) など刺激や酸味のある食品、スパイスや塩のきいた食品、生野菜、グラノラ(全粒シリアル)、トーストなどガサガサパサパサした食品はさけます。

 口の中が乾いてつらかったり、食べられないときは、以下のことを試してください。
・口の中を潤すための人口唾液を使うべきかどうか医師に尋ねましょう。
・水分を沢山摂ります。
・氷片やアイスキャンデー、シュガーレスの飴などをなめます。シュガーレスガムをかむのもいいでしょう。
・パサパサした食品はバター、マーガリン、グレービーソース、フルーツソース、スープなどで湿らせて食べます。
・かりかりした、乾いた食品は刺激のない液状の食品にひたして食べます。
・上記のような、柔かくピューレ状にした食品を食べます。
・唇が乾くときはリップクリームを使いましょう。

下痢

 化学療法が腸管の表面の細胞を壊すと、その結果下痢(や軟便)が起きてきます。24時間以上続いて下痢をするときや、下痢にともなって痛みやさし込むような痛みがあるときは医師に連絡してください。ひどいときには、下痢止めをだすこともありますが、医師の了解なしに、薬局で売っている下痢止めを飲むのはいけません。
 下痢を改善するのに以下のことを試してください。
・少しずつ何度にも分けて食べる。
・繊維の多い食事(全粒粉パン、シリアル、生野菜、豆類、ナッツ類、種子、ポップコーン、生あるいは乾燥した果物)、は下痢と腹痛をおこしやすいので、避けましょう。そうでなく繊維の少ない食品をとりましょう(白いパン、ご飯、麺、クリーム状にしたシリアル、熟したバナナ、皮をむいてある缶詰か調理済のくだもの、カッテージチーズ、ヨーグルト、たまご、皮むきのマッシュポテトか茹でたジャガイモ、ピューレ状にした野菜、皮なしのチキンかターキー、魚)。
・コーヒー、紅茶、お酒、甘い飲みものはさけます。揚げものや、油っぽいもの、スパイスのきいたものもさけます。これらは腸に刺激が多いので、下痢や腹痛をおこします。
・牛乳や乳製品は下痢が悪くなるようなら、さけてください。主治医が特に制限しないかぎりは、下痢によって大切なミネラルであるカリウムが失われるので、それを豊富にふくんでいるバナナ、オレンジ、ジャガイモ、桃やアプリコットのネクターなどを沢山とるようにしてください。
・下痢で失った水分を補えるように水分を沢山とってください。刺激のない、透明の飲みもの(りんごジュース、水、薄い紅茶、透明のスープ、ジンジャエールなど)がよいでしょう。
・少しずつ、また必ず室温程度にしてのむこと。炭酸の入った飲みものは飲む前に炭酸を飛ばしてください。
・下痢がひどいときは、医師に伝えることが大切です。腸を休ませるために、透明の液状食をとるべきかどうか聞きましょう。少し良くなったら、上に書いた食事にすこしずつ、繊維の少ない食品を加えてください。透明の液状食では必要な栄養がとれませんから、3〜5日間以上続けないでください。
・下痢がとてもひどいときは、失われた体液と栄養分を補給するために点滴が必要なときもあります。

便秘

 化学療法を受けている人のなかには、その薬のせいで便秘になる人があります。また、普段より運動量が減ったり、栄養が減ったりして、便秘になる人もあります。1、2日便通がないときは医師に伝えてください。緩下剤や、便をやわらかくする薬、浣腸が必要なこともありますが、医師の了解なしにこのような薬を使わないでください。とくに、白血球数が少ないときは気をつけてください。
 便秘のときは次のようなことを試してください。
・便を緩くするために水分を十分にとる。温かい飲みものや熱い飲みものはとくに効果があります。
・食物繊維の多い食べものをとること。食物繊維の多いものには、ふすま、全粒粉パン、シリアル、生や調理済みの野菜、生や乾燥した果物、ナッツ類、ポップコーンなどがあります。
・適度な運動をすること。 ただ散歩をするだけでも、計画立てた運動プログラムと同様に効果があります。活動量を増やすときは必ず医師に了解を得てください。

神経と筋肉への影響

 神経系は身体全体の器官や組織に影響を及ぼしますから、ある種の薬ではときにあることですが、化学療法によって神経系に影響が及ぶと、実に広範囲の副作用が起こりことは驚くことではありません。例えば、ある薬では、末梢神経障害を起こし、ぞくぞくしたり、ひりひりしたり、力が低下したり、手足がしびれたりする感じがしたりします。他に神経に関する症状では、バランス感がなくなったり、ぎこちない感じがしたり、ものをつまみあげたり衣類のボタンかけをするのが下手になったり、歩行障害、あごの痛み、聴覚障害、腹痛、便秘などが起きてくることがあります。神経への障害に加えて、ある種の抗がん剤では筋肉にも障害を起こし、筋力低下、疲労感、筋肉痛などを起こすことがあります。
 神経や筋肉への障害はいらいらするものですが、さほど深刻ではないものもあれば、ときには医師の診察が必要な深刻な問題の徴候であることもあります。神経や筋肉への障害と思われる症状があるときは医師に必ず伝えてください。
 神経や筋肉の異常は、注意深く常識的に判断していれば、対処しやすいものです。例えば、指がしびれているときは、鋭利なものや、熱いもの、危険性のあるものを握るときは十分に注意します。バランス感覚や筋力が低下しているなら、階段を上り下りするときは手すりにつかまり、湯船やシャワーを使うときにはバスマットを敷いて、転倒しないように注意深く動きます。滑りやすい靴は履かないようにしてください。

皮膚や爪への影響

 化学療法を受けている間は、軽微な肌のトラブルがいろいろありえます。起こりうるものとしては、発赤、かゆみ、皮のめくれ、乾燥、ニキビなどです。爪の色が黒っぽくなり、壊れやすくなったり、ひびが入ったりすることもあります。たてスジがはいることもあります。
 これらの問題のほとんどは、自分で解決できるでしょう。ニキビができてきたら、顔を清潔に、乾燥させた状態に保ち、処方箋なしでも買える医薬品クリームや石鹸を使います。かゆいときはベビーパウダーをはたくように、コーンスターチをつけてください。乾燥を避けたいときには、長く熱いめのお湯に浸かるのでなく、さっとシャワーを浴びてスポンジで身体を洗うようにします。まだ、肌に湿り気があるうちに、クリームやローション剤を塗り、香水やコロン、アフターシェーブローションなど、アルコールを含んでいるものはつけないようにしましょう。爪を強くするための薬が売られていますが、この刺激でもっと悪い問題を引き起こす人もありますから、注意してください。皿洗いや、庭いじりや、家の外回りの作業をするときには手袋をはめれば爪を守ることができます。このような皮膚や爪のトラブルが、いろいろやっても改善されないときは、医師にアドバイスを求めてください。甘皮のあたりに、発赤や痛みや変わったことがあれば、必ず医師に知らせてください。
 ある種の抗がん剤では、静脈注射したときに、血管にそって、とても色が黒くなることがあります。それを隠すために化粧をする人もありますが、あちこちの部位の血管に起こったときは隠し切れないですし、時間ばかりかかります。化学療法が終わって数カ月すれば自然とうすくなっていくでしょう。
 直射日光に当たると抗がん剤の皮膚への影響が増強されます。太陽光線ブロック度が15のサンスクリーンを使用していいか、医師や看護スタッフに聞いてください。直射日光に当たることを止められたり、完全に日光を遮るような酸化亜鉛軟膏のようなものを使うように言われることもあるでしょう。綿の長袖服や、帽子、長ズボンなども日光を避けるのにいいでしょう。
 放射線治療を受けた人では、化学療法の間に、「放射線リコール」と呼ばれる相乗効果が起きることがあります。ある種の抗がん剤が入れられている間、またはそのすぐ後に、放射線を照射された注射部位のあたりの皮膚が、薄い色からとても鮮やかな色に赤く変わっていき、かゆくなってやけどのようになることがあります。これは数時間から数日続きます。かゆみや焼けるような感じは、冷たく湿した湿布をその部位に当てるとやわらげられます。放射線リコール反応は医師や看護スタッフに知らせておくべきです。
 ほとんどの皮膚トラブルは深刻なものではありませんが、すぐに対応すべきトラブルもいくつかあります。例えば、静脈注射で投与される薬のなかに、もし、血管から漏れ出ると大変な、局所の壊死を起こすものがあります。静脈注射を受けているときに血管に焼けつくような感じや痛みを感じたら、ただちに医師や看護スタッフに伝えてください。こうした徴候は必ずしもいつも問題が起きていることを意味するわけではありませんが、そういう感じがしたときは常に、ただちに調べる必要があります。
 また、突然に激しくかゆみを感じたときや、突然に発疹が出たり、息がぜーぜーいったり、呼吸に問題があれば、どんなことでもすぐに知らせなければなりません。これらの徴候は薬でアレルギー反応が起きている可能性があることを意味しており、ただちに処置を要します。

腎臓と膀胱への影響

 ある種の抗がん剤は、膀胱を刺激したり、一時的、あるいは治癒することのない障害を腎臓にもたらすことがあります。あなたの薬がこんな副作用があるものかどうかを必ず医師に問い、もしも副作用発現の徴候が現れてきたら医師に知らせてください。気をつけるべき徴候は次のようなものです。
・排尿時の痛みや灼熱感
・頻尿
・今すぐに排尿しそうな感じ(残尿感)
・血尿
・発熱
・寒気
 一般的には、健全な排尿を確実にするために、水分をたくさんとるのは良い考えです。あなたの使っている薬が膀胱や腎臓に障害を与える類のものなら、これは特に大切なことです。水、ジュース、コーヒー、紅茶、スープ、ソフトドリンク、コンソメスープ、アイスクリーム、アイスキャンディ 、ゼリーなどは水分とみなしてください。水分の摂取量を増やすべきかどうかは医師が教えてくれるでしょう。
 また、抗がん剤服用中は尿の色が変わったり(オレンジ、赤、黄色)、においがきつくなったりクスリ臭くなったりすることがあることを知っておいてください。短期間ですが、精液の色やにおいも同様に変わることがあります。あなたの薬がこのような作用があるか、医師にたずねましょう。

疑似流感症候群

 化学療法を受けた後、数時間から数日間、流行性感冒(インフルエンザ)にかかったような感じがするという患者さんがいます。流感のように、筋肉痛、頭痛、疲労感、吐気、微熱、悪寒、食欲低下などの症状が1日から3日ほど続きます。こういう症状は感染症やガンそのものによってもおこりますから、こういった症状があれば、医師に確認することが大切です。

水分貯溜(むくみ)

 化学療法を受けていると、身体に水分がたまります。これは、治療によってホルモンバランスに変化が起きること、薬そのものの影響、ガンによる影響、によっておきてきます。顔や手足、腹部に、むくみや腫れがあるときは、医師や看護スタッフに報告してください。食卓塩や、ナトリウム塩含有量の多い食品はさけてください。症状がひどい場合は、主治医は体の中から余分な水分を排泄させる利尿剤を出すでしょう。だからといって、医師に聞かずに勝手に薬局で売っている利尿剤を飲むことはしないでください。

セックスへの肉体的、精神的影響

 すべての人が必ずそうなるわけではないですが、化学療法は男女を問わず、生殖器官と生殖機能に影響があります。副作用は使用される薬剤や、患者の年齢、健康状態によって発現が左右されます。

男性の場合

 化学療法は精子数を減らしたり、精子の運動を鈍くするなどの異常をもたらすことがあります。その結果、一時的あるいは生涯続く不毛状態になります。不毛になると、父親になることができませんが、性交ができなくなるわけではありません。
 永久に子どもができなくなるかもしれないので、化学療法を受ける前には、医師とこのことについて話し合うことが大切です。希望があれば、将来使えるように精子を凍結保存しておく精子バンクを考慮することもできます。(訳注:日本でも骨髄移植を受けたあと、無事に子どもに恵まれ元気にしておられる患者さんがあります。決め付けるのは禁物です)。
 化学療法を受けている男性は抗がん剤が染色体に悪影響を及ぼしているので、その期間中は効果的な避妊法を2人でとりいれるべきです。このための避妊をいつになったらやめてもいいのか主治医にたずねましょう。

女性の場合

 抗がん剤は、卵巣に害を与え卵巣がつくり出すホルモン量を低下させます。その結果、化学療法の間は、月経が不規則になったり完全に止まったりします。
 化学療法によるホルモン分泌への影響は、閉経期の更年期障害のようにのぼせ、ほてり、かゆみ、温熱感、膣の乾燥を起こすことがあります。このような変化により、性交が苦痛をともなったものになることがありますが、これは水溶性基剤の膣潤滑剤(訳注:K‐Yゼリー。日本では「リューブゼリー」。発売元:日本家族計画協会などの製品が薬局薬店で購入できます)を使用すれば解消されることが多いです。また、この膣組織の変化により、膣感染症にかかりやすくなります。感染を防ぐために、油性基剤の潤滑剤(ワセリンゼリー)などの使用はさけて、綿の肌着や、綿を部分的に使った通気性のよいパンティーストッキングを着用し、きつく締め付けるようなスラックスやショーツは身につけないようにしましょう。主治医は、感染の危険性を減らすために、膣用のクリームや膣坐薬を出すこともあるでしょう。
 感染が起きたら、ただちに医師の処置が必要です(「感染」の項を参照)。
 卵巣への害は、不妊をもたらすことになるかもしれません。人によっては、一時的に子どもができない状態になるひともあれば、生涯続く人もあります。
 不妊になるかどうか、どのぐらい続くのかは、薬のタイプ、薬の投与量、女性の年齢などを含め、いろんな要素に左右されます。(訳注:これも男性患者と同様、化学療法を受けた後で出産された人がおられます。決めつけないようにすることが大切です)。

妊娠

 化学療法中でも妊娠の可能性はありますが、抗がん剤は先天的欠損症をもたらす可能性があるので、勧められません。10代から閉経までの妊娠する可能性がある女性には、化学療法を受けている間は避妊することを勧めます。
 もし、ガンが発見されたときにすでに妊娠しているときは、子どもが産まれるまで化学療法に入るのを延ばすことができることもあります。すぐにでも治療が必要な女性のときは、胎児への影響が最も大きい時期を過ぎた妊娠12週を越えてから化学療法を受けることを提案されるときもあります。場合によっては妊娠中絶を考慮しないといけないケースもあります。

セックスのこと

 化学療法期間中の、性的な感情や態度は人によってちがいます。今まで以上に相手を親密に感じ性の営みにいままで以上に欲求が高まる人もあります。欲求的にもエネルギー的にもまったくあるいはほどんど変化がないという人もあります。また、ガンにかかって化学療法を受けているという身体的・感情的ストレスのために性的な関心が減ってしまった自分に気がつく人もあります。このストレスのなかには、外見的な変化への悩み、健康、家族、家計に関する不安、疲れやホルモン変化などの副作用――といったことがあります。
 また、相手の心配や不安が性的な関係に影響します。肉体的に親密な行為がガンになった人には害になるのではないかと思う人もあります。また、ガンが移るのではないかとか、薬の影響を受けるのではないかと恐れる相手もあります。こういう問題の多くは、誤解されていることについて話し合うことで解決するものです。患者も相手の人も気軽に医師や看護スタッフ、あなたが求めている情報や安心材料をくれるカウンセラーなどに性的なことについて話をしてください。
 あなたも相手の人も、お互いの気持ちを共感しようと努力しなければなりません。セックスやガンのことについてお互いに話すのが困難なときは、もっと率直に会話ができるようカウンセラーに話をするのもいいでしょう。精神科医、心理学者、ソーシャルワーカー、結婚生活カウンセラー、セックス治療士、聖職者などが力になってくれるでしょう。
 あなたが、化学療法を始める前に、性的な関係において心地よく楽しめてきたのなら、治療の期間中も肉体的な親密さに喜びを見いだせるチャンスが同様にあるでしょう。しかし、その親密さが新たな意味合いや性格を帯びてくることに気がつくでしょう。抱擁、触れ合いなどの方が大切になり、性交そのものはさほど大切でもなくなってくるでしょう。化学療法に入る前に真実であったことは治療が始まっても今なお真実であるということをわすれてはなりません。あなたの性的関心を表現する方法は「これが正しい」というものはないのです。ふたりにとって、なにが楽しくて満足がいくかを決めるのは、あなたたち2人しだいなのです。
 米国ガン協会は性的関心について男性用、女性用2種類の無料の冊子を用意しています。必要な方は地区事務局か、本部の方に連絡ください(「情報源」の項を参照)。

3、化学療法期間中の食生活をよいものにしましょう

 治療を受けている間には、できるだけしっかりと食事をとることがとても大切です。しっかりと食事をとる人は副作用を乗り越えやすく、感染に対しても強くなれます。さらに、治療によって壊された組織をより早く修復し再構築できるのです。  治療期間中にしっかりと食べるというのは、身体が必要とする栄養素をすべて含む、バランスのよい食事をするということです。そのためには次のような食物群からそれぞれを食べるのがよいでしょう。果物や野菜類。鶏肉、魚、肉。シリアル、パン(穀類)。そして乳製品です。また、しっかりと食べるというのはあなたの体重を維持できるだけのカロリーが十分にあるものを食べることであり、とても大切なことは、壊された皮膚、髪、筋肉、臓器を修復するのに大切な蛋白質を豊富に含んでいることです。  また、化学療法を受けている間は、膀胱や腎臓を保護するために、余分に水分をとる必要もあるでしょう(「腎臓や膀胱への影響」の項目を参照)。

食べたくない場合はどうしたらよいのでしょう?

 いくらしっかり食べるのが大切だとわかっていても、どうにも食べられないと感じることもあるでしょう。それは、薬の副作用で吐気がしたり口やのどが炎症をおこし、つらくて痛くて食べられないときなどです。気持ちが沈んだり疲れを感じたりしたときにも食欲は低下します。こんなときには、この冊子のなかから、あなたに当てはまる不快な状態の項目のところを必ず読んでください。食事をとりやすくなるヒントが見つかるはずです。

食欲がなくて困っているときは、次のようなヒントを試してみてください。

・いつでも食べたいときに、少しずつ食事でも軽食でもつまむようにしましょう。日に三度の食事をきちんと摂る必要などありません。
・食物に変化を与えて、目先の新しい食べものや調理法を試みましょう。
・体力があるときには、食事の前に散歩をしましょう。こうするとおなかが空くかもしれません。
・また、食事時間をいつもと違った雰囲気にしてみましょう。例えば、ときにはキャンドルの灯をつけて食事をしたり、場所を変えてみたりするのです。
・友人や家族と食事をしたり、一人で食事をとるときには、ラジオやテレビをつけたりするのです。
・一人暮らしをしているのなら、宅配の食事サービスを利用するのも手です。多くの地方で利用できるこの制度について、医師、看護スタッフ、最寄りの米国ガン協会事務所、またはガン情報サービスなどに問い合わせてください。
 米国立ガン研究所が出している『食事のヒント』にはガン治療中の食事を摂取しやすく楽しいものにするためのヒントがいろいろと書かれています。治療中に十分に食べて蛋白質や総カロリーの摂取量を増やすための工夫もたくさん含まれています。『食事のヒント』無料パンフレットが欲しいときは1-800-4-CANCERのガン情報サービスまで電話を下さい(「情報源」の項目参照)。

お酒は飲んでもいいのですか?

 少量のお酒は気持ちを落ち着け食欲増進にも役立ちます。しかしお酒は、ある種の薬物の効果を弱めたり、副作用を強めたるなどの影響があることもあります。ですから、人によっては化学療法中は、飲酒量をひかえたり、完全に禁酒しなければなりません。ビール、ワイン、またその他のアルコール飲料を飲んでも差し支えないかどうか、必ず主治医にたずねてください。

ビタミンやミネラルの補給剤をのんだほうがいいのですか?

 この問いには簡単に一つの答えを出すことはできませんが、一つだけ明らかなことが言えます。食物や栄養上の計画をたててガンが治ることはなく、ビタミンやミネラル補給の薬を飲むことが西洋医学的治療にとって代わるものなどと考えられることがあってはならないということです。主治医に知らせて同意を得ずしてこういった補給剤をのむべきではありません。
訳注:ビタミン剤でも葉酸が入っているものなどはガン細胞の分裂増加をうながしますし、ミネラルなども食事から自然に入るものと違って量が過剰になるなどさまざまな問題がおきやすいのです)。

4、主治医や看護スタッフと話をしよう

 ガンにかかった人のなかには自分の健康状態や治療法についてすべての詳細を知りたいと思う人があります。また、ごく一般的な情報だけ知ればいいと思う人もあります。どれだけ情報を求めていくかはあなたが決めることですが、化学療法を受けているすべての人が知っておくべきこともあるのです。それは以下のようなことです。

・なぜ、化学療法をうけないといけないのか?
・化学療法を受けるメリットは?
・化学療法を受けることによる危険性は?
・自分に使われる薬はどれどれか?
・それはどうやって投薬されるのか?
・治療はどのくらいの期間続くのか?
・考えられる副作用は?
・ただちに医師に報告しないといけない副作用はなにかあるか?
・自分のガンの治療に他の治療法を選択する手はあるか?

 このリストはごく手はじめの質問です。何か聞きたいことがあれば遠慮せずなんでも気の済むまで医師や看護スタッフ、薬剤師にたずねてください。ガンやガン治療については「馬鹿げた質問」というものは存在しません。あなたが知りたいことすべてをはっきりと確認するために、質問をする前に、質問リストを書き出しておくとよいでしょう。常に記録できるように携えていて、新たな質問が頭に浮かんだらすぐに書きとめておく人さえあります。
 主治医の回答を記憶しておくために、質問をしている間、記録をとりたいと思うこともあるでしょう。書き込むのに時間がかかるときは「ゆっくりと話してください」と恥ずかしがらずに頼んでください。「話をカセットテープに録音してよいか」とたずねる手もあります。こうすれば、あとで何度でも医師との話し合いを復習することができます。こういうことを好ましいと思う医師も嫌がる医師もいますから、やる前に確認することが大切です。あるいは医師と話をするときに友人や家族を同伴して一緒に話を聞いてもらうのも役立ちます。あなたと医師が話したことを理解したり、後に思い出すときに力になってくれるでしょう。

5、化学療法とあなたの気持ち

 化学療法を受けるということは、その人の人生にとても大きな変化をもたらします。全体的な健康状態を損ね、幸福感をおびやかし、日々の計画を妨げ、人間関係にまで緊張をもたらします。ですから、皆さんが、化学療法を受けているときに、悲しかったり、不安だったり、怒りを感じたり、気持ちが沈んだりしても、なんの不思議もありません。
 このような思いを感じるのはまったく正常であり理解できますが、対処するのはやっかいです。幸いにも、化学療法がもたらす身体的な面での副作用に対処する方法があるのと同様に、このような精神的な面での“副作用”にも対処する方法があります。

私が求めている支援はどうしたら得られるのでしょう?

 あなたが頼っていける支援先はいろいろあります。ここにあげるのは、そのなかでもとても大切なものです。
・医師と看護スタッフ…もしも何かガンの治療について質問や心配ことがあればあなたの医療チームの人に話してください(「医師や看護スタッフと話す」の項目参照)。
・専門カウンセラー…自己表現をうながしたり、自己を理解したり、ガン治療によって引き起こされる感情に対処できるよう、さまざまなカウンセラーがいます。あなたの好みと必要性しだいで、精神療法家、心理学者、ソーシャルワーカー、セックス療法士、牧師などと話をしたいと思うこともあるでしょう。
・友人や家族…友だちや家族と話をすることでずいぶんと気持ちが救われるものです。ときにはほかの誰にもできない方法であなたを慰め、安心させてくれます。しかし、友達があなたを助けようとするのをあなたがうながす必要があることに気づくことと思います。
人が自分を助けに駆けつけて来てほしいと期待するときには、最初の一歩をあなたが歩み出さなければならないでしょう。ガンのことを何も理解しない人はたくさんいますし、あなたの病気が怖くて、あなたから遠ざかる人もいるでしょう。間違ったことを言ってあなたを混乱させるのではないかと心配になる人もいるでしょう。
これらの人たちの不安は、あなたが自分の病気や治療法や、自分のほしい支援、感情などを人々と心を開いて話をすることで解消されます。率直に話をすることで、ガンについての間違った考えを正すことができます。また、周りの人々に「励ましの言葉にふさわしい正しい言葉」というものはなく、「思いやりがはっきりと相手に伝わることが大切なのだ」とわからせることができるのです。いったん、あなたと正直に話せばいいのだとわかれば、喜んであなたに近づき力を貸してくれることでしょう。
 米国立ガン研究所の冊子「Taking Time」(訳注:日本語翻訳中)では、患者と家族、友人がほかの人と話をするときに役立つことが書かれています(「情報源」の項参照)。

・支援団体…支援団体はあなたと同じような経験をしている人々から成り立っています。ガンを抱えた人たちの多くが、ほかの誰とも気持ち良く共有できない思いを、同じグループのメンバーとなら共有できることに気づきます。支援団体はガンとともに生きていくうえでの実用的な情報を提供してくれる重要な情報源になります。
 年齢や、性や、ガンのタイプなどの点から見て、あなたととても似通った状況にあるほかの患者さんと一対一で接触させるなどの支援の方法もあります。そうした患者さんがあなたをたずねて来てくれるプログラムもいくつかあります。また、電話でそういう人と話ができるようにしてくれる通話プログラムもあります。
 支援計画についての情報源には、かかっている病院の社会福祉部(ソーシャルワーク)や、米国ガン協会、米国立ガン研究所のガン情報サービスなどがあります(「情報源」の項参照)。

日々の暮らしをどうしたら過ごしやすくできるのでしょう?

 化学療法を受けている期間、参考になりそうなことを掲げます。
あなたが受けている治療の最終目標を心に描きつづけるようにします。現状が困難なものである日々を前向きな態度で過ごせるようになるでしょう。
 良く食べることもとても大切だということを忘れないでください。壊れた組織を再建し、体力を取り戻すために、身体は食べものを必要としています。
 自分の病気や治療法について知りたいと思うだけ勉強します。そうすれば未知への不安が軽減され、病気に打ち勝とうとする気持ちが強くなります。
 治療を受けている間、日記をつけましょう。あなたがしたことや思ったことを記録するのは化学療法下にあるときの抱いている感情を理解し、医師や看護スタッフにたずねるべき質問が何かをはっきりさせるのに役立ちます。また、副作用に対処するためにとった方法や、どんな風にうまく効果があったかを記録する日記もとても役に立ちます。そうすることで、また同じ副作用が出たときにどうするのが一番効果があったかを知ることができます。
 現実的な目標をかかげ、自分に厳しくなりすぎないように。普段と同じような体力はないこともあるのですから、できるだけ十分な休息をとり、ささいなことは横においておき、ほんとに重要なことだけをするようにしましょう。
 新しい趣味や技術を身につけるようにしましょう。運動ができるなら、やりましょう。身体を動かすことは自分自身の気持ちを落ち着け、緊張や怒りを追い払い、食欲を増進させます。医師や看護スタッフに安全で実際的な運動プログラムについてたずねてみます。

ストレスはどうしたら、やわらげられるのですか?

 ガンになったことやその治療からくるストレスを対処する方法はいろいろあります。以下に書いたことは気分を和らげるのにいいでしょう。自分に合ったものを見つけるよういくつか試してみてください。肺に障害がある方の場合はこれをやる前に医師に相談してみましょう。

・筋肉の緊張とリラックス
 静かな部屋に横になり、ゆっくりと深く息を吸ってください。息を吸うときに、どこかの筋肉に力をいれます。例えば、目をぐっと堅く閉じる、顔をしかめる、歯を食いしばる、こぶしを握る、腕や脚の筋肉に力を入れるなどです。息を止めて、そのまま1、2秒力を入れたままにします。次に息を吐いて、完全に力をゆるめます。身体の部位を変えて同じことをくりかえします。
 ちょっと応用させて、「進行型リラクゼーション」といわれる方法もできます。まず片足のつま先に力を入れ、次第に身体の上に向かって片足全体に力を入れ、次に力を抜きます。続いてもう一方の足で同じことをします。こうして体中の筋肉を緊張と弛緩を繰り返し、頭のてっぺんの頭皮までいきます。緊張させるときは息を止めること、ゆるめるときは息を吐くことを忘れないことです。

・リズミカルに呼吸をする(リズム呼吸)
 リラックスした姿勢をとり身体を楽にします。目を開けたまま行うときは遠いものに焦点をあわせ、目を閉じるときは楽しい光景を想像するか、心を無にして呼吸だけに集中します。鼻でゆっくりと気持ちよく吸ったり吐いたりします。リズムを一定に保ち心の中で、「吸う、1、2。吐く、1、2」と言うのもいいです。緊張をほぐして、息を吐くたびにすっかり身体をゆるめてください。
 これはほんの数秒だけやってもいいですし、10分ぐらいやってもいいです。リズム呼吸は、だまってゆっくり3まで数えて終えます。

・生体自己制御法(バイオフィードバック)
 生体自己制御法を訓練すれば、心拍数や血圧や、筋緊張などを自分でコントロールできるようになります。身体が緊張している徴候があればそれを機械が感じ取って、音を出したり光を点滅させたりするなどしてあなたに知らせることができます。リラックス状態になると機械はそれに反応します。最後には機械からの反応に頼ることなく、自分のくつろぎ反応を制御できるようになるでしょう。医師や看護スタッフは、生体自己コントロール法を教える訓練を受けた人をあなたに紹介することができます。

・イメージトレーニング。
 イメージトレーニングはあなたの五感を使って空想をすることです。通常は目を閉じて行います。まず、ゆっくりと呼吸をしてリラックスします。自分の身体のなかのどこかにある治癒エネルギーの玉を想像します。(白く輝いているものであったりする)その玉が頭に浮かんできたら、息を吸いながら、体の中の痛むところ、緊張状態のところ、あるいは吐気など不快感のあるところに、玉を投げ込むような想像をしてください。息を吐くときは、どんな痛みであれ、不快感であれ、その玉と一緒にして、身体から離すようなイメージを描きます(呼吸はごく自然にし、勢いよくしないこと)。呼吸に合わせて、吸うときは自分に向けて近づけ、吐くときは遠ざけるように心に描きつづけます。その玉が緊張や不快感を取り除いてくれるにつれて、その玉が大きくなっていくような感じがするでしょう。イメージトレーニングを終わるときは、ゆっくりと3まで数え、深く息を吸って、目を開け、心の中で「私は覚めているけれどリラックスしている」と言いましょう。リラクゼーション法としてイメージトレーニングを選ぶときには、次の章を必ず読んで下さい。

・ヴィジュアライゼーション(視覚化)
 これはイメージトレーニングと同様の方法です。ヴィジュアライゼーションによって、心にガンと闘うあなたの闘志を象徴した絵を描くのです。化学療法を受けている人たちには、ガン細胞をロケット弾で爆破させたり、ガン細胞と闘っている、鎧を着た騎士などを想像したり、白血球や使用している薬がガン細胞を攻撃している場面を想像したりします。ビジュアライゼーションもイメージトレーニングもストレスを解消し、自己コントロールの感覚を増強させます。しかし、これらの方法は主治医があなたのガンを治療しようとして処方する医療処置に取って代わるものではないことは忘れてはなりません。

・催眠療法
 催眠療法は不快感や不安を和らげるのに一助となる方法で、あなたを失神状態のようにさせるものです。有資格者に催眠をかけてもらうか、自分で催眠をかける方法を身につけることができます。さらに詳しく知りたいときは、医師か看護スタッフからその技術に熟達した人に紹介してもらってください。

・気晴らし
 あなたの悩みや不安を忘れさせてくれる気晴らしをすることは、いつでもできます。テレビを見たり、ラジオを聞いたり、映画に行ったり、手芸やパズルをして手作業をしたり、模型を組み立てたり、絵を描いたりなど。心地よく時間がすぎていくのに驚くでしょう。

6、化学療法の医療費支払いをどうしたらよいでしょう?

 (訳注:この6章は米国の事情で日本には当てはまりません
 化学療法の医療費は使用する薬剤の種類や使用する量、治療の期間、治療の回数などによって異なり、自宅でするか、病院や医師のオフィスでするか、入院してするかによっても違ってきます。ほとんどの健康保険証券の契約条項では(医師の請求書や他のさまざまな医療サービスの支払いを援助するメディケアパートBをふくめて)、多種の化学療法を少なくとも一部はカバーしています。
 しかし、ある種のガン患者にある種の薬剤使用は保険では支払われないということもあります。そうしたときは、少なくとも、まず初め支払いを断られます。もし保険業者があなたの治療に対して支払いを拒んでも、あきらめないでください。たいていの場合、最後には保険で支払われます。
 あなたと、主治医や医療機関のスタッフとのチームワークが大切です。支払いを蹴られたら必ず医師たちに知らせててください。保険業者と話をして、業者が知りたがっている質問に答えるのに役立ちます。よくあることですが、保険業者は、あなたが医療費の支払いを受けるために役立つような情報やその他のサービスを提供してくれることもあります。州によっては、メディケイド(経済的な援助が必要な人のために、医療看護サービスを受けられるようにするシステム)が特定の治療に対しての支払いを行ってくれます。あなたの市や郡の社会福祉事業の事務所に連絡をとり、メディケイドを受けるのに適格かどうか、あなたの受けている化学療法がメディケイドで保証されている医療費かどうかを調べてください。
 治療代を支払うのに援助が必要なときは、かかっている病院にある社会福祉事務所、ガン情報サービスや、米国ガン協会の地区事務所に連絡をとってください(情報源参照)。そこに問い合わせれば、他の援助源を教えてくれることもあります。米国白血病協会もあります。あなたの居住地に近い支部を探すのには電話帳を調べてください。

7、終わりに

 米国立ガン研究所は、あなたがこれから化学療法を受けようとしている方であっても、すでに治療が始まった方であっても、この『化学療法とあなた』があなたや家族のお役に立つことを願っています。ここに書かれている情報について主治医や看護スタッフと話し合って、化学療法中、どうぞお大事にお過ごしください。ともに力を合わせていけば、患者さん、家族、医療チームが一体となって可能なかぎりの最強チームとなり、ガンに立ち向うことができることでしょう。

8、情報源(翻訳略)

9、用語集(翻訳略)



訳者による日本のガン患者のための情報源

 日本で実際に役立ちそうな団体を参考までに挙げました(順不同)。

(財)骨髄移植推進財団
Tel 0120-445-445(午前9時〜午後9時)
 日本の骨髄バンクで、ドナー(骨髄液提供者)登録など骨髄移植に関する問い合わせを受けてくれる。ドナー登録者数は10万人を超え、移植症例も1600件を数える世界有数のバンク。
 患者相談窓口 Tel 03-3355-6888(平日13〜17時)

全国骨髄バンク推進連絡協議会
Tel 0120-81-5929(毎土曜午前10時〜午後4時)
 骨髄バンク運動を支えるボランティア団体。血液疾患に関する相談から医療費やかつらの購入方法まで気軽に相談にのってくれる。第2土曜は専門医も相談に応じてくれる。

付き添い家族に宿泊所を
以下の一覧は、骨髄移植など病気のために長期にわたり入院や通院が必要な患者を支援するグループが、患者や付き添い家族のために提供している 宿泊施設をまとめたものです。グループや個人、団体が確保したアパートなどを提供し、 利用者は1日数百円から数千円で利用することができます。
申し込みに当たっては病院名や病名を聞かれたり、診察券の提示を求められることがあります。病気治療や付き添い目的の滞在であれば、空室状態により、ここにあげた対象者以外でも受け入れている施設が多いです。受付は平日午前10時よりのところが多いです。利用料の決め方はさまざま。1室○円のところは1家族なら何人泊まっても同じ料金です。要確認。
北海道難病センターは83年に同の全額出資で開設された難病患者の総合支援センターで、他の滞在施設とは設立趣旨が異なりますが、建物内に病院に通う患者・付き添い家族が利用できる宿泊室もあります。
ファミリーハウス運営委員会事務局は
103-0001 東京都中央区日本橋小伝馬町1-9 住友生命小伝馬町ビル5F
Tel 03-3639-2146 Fax 03-3639-2148

<付き添い家族の滞在施設を設置の団体・個人一覧表>

設  置  主
都道府県 連絡問い合わせ先
施設・部屋数 一日の使用料金
北海道難病連
北海道札幌市 011-512-3233
5室 大人1700円、子ども870円
「ファミリーハウス」運営委員会
東京都
(杉並・渋谷・港・調布)
03-3639-2146
7施設19部屋 一室500〜1000円
聖テモテ愛の家「ぶどうの家」
東京都(文京) 03-3818-3362
1施設10部屋 一室2000円+リネン代300円
山崎氏 「アリスの部屋」 
東京都(文京) 03-3413-2887
1施設3部屋 1人1000円、入浴100円
(入室時に保証金1万円退室時に返却 )
BMTハウスサポートの会「にじの家」
神奈川県(横浜市、伊勢原市) 0468-41-1581松尾
4施設7部屋 一室500円、光熱費別
「愛の家」福岡
福岡県福岡市 国立病院九州がんセンター内線2304生野医師092-541-3231
  1施設3部屋 1室800円
スマイルハウス
福岡県福岡市 0940-33-6043安井(九大病院小児科・小児外科入院患者家族対象 )
1施設 2部屋 1家族800円宿泊なしは400円、最長7日
茨城骨髄バンクを広げる会
茨城県水戸市 0297-66-7422岸川方
1施設5部屋 月額30000円
たんぽぽの会
熊本県熊本市 096-365-1604熊本大学病院小児科たんぽぽの会
1施設3部屋 一室500円
パンダハウスを育てる会
福島県福島市 0245-48-3711
1施設3部屋 一室1000円+リネン代500円
ハウスサポート小山
栃木県小山市 0285-45-1565
1施設 1部屋  
愛知県長期滞在患者を支援する
はなのきの会(はなのきハウス)
愛知県名古屋市 052-323-9198
4施設8部屋 一室700円〜2000円
心臓病児親の会 江坂寮
大阪府 (吹田・大阪) 080-522-8423梶原
2施設4部屋 1人1000〜1600円+初回に入会金1000円
日本化薬(株) あすなろの家
埼玉県大宮市 048−658−5861
1施設10部屋 1室1000円+貸し布団代100円シーツの洗濯代
がんの子どもを守る会あかつきハウス
東京都(中央) 03−5228−6105
  2室 1室3000円宿泊なしは1500円

メイク・ア・ウィッシュ・オブ・ジャパン
難病の子どもの夢をかなえる団体
東京事務局
102-0083 東京都千代田区麹町1-7相互半蔵門ビル4F
Tel 03-3221-8388 Fax 03-3221-8380
他4支部あり。
仙台 022−262−3350 (水曜13〜17時)
名古屋 052−202−1208 (月・水・金10時〜)
神戸 078−333−5306 (月〜金13〜17時)
福岡 092−735−2330 (火・金13〜16時)
(常勤者がいる東京本部に連絡をするのが確実です)

ガンの子どもを守る会
<一般療養費援助 ・特別療養費援助制度あり>
 財団法人「がんの子供を守る会」
 小児がんの制圧と患者とその家族のクォリティオブライフをめざして活動を続けています。
・「守る会」の活動
 治療研究助成事業:小児がんに関する治療のさらなる進歩を願い、専門医師、研究者に研究費の助成を行っています。
小児がん全国登録事業:小児がんの原因を解明するために小児がんの患者の登録を行っています。
 療養費援助事業:小児がんの医療費は公費負担となっていますが、治療期間の延長にともなう間接医療費など経済的負担は少なくありません。当会では次のような経済的援助を行っています。
「一般療養費援助」「特別療養費援助」(申請手続きは事務局まで)
 相談事業:小児がんに関するあらゆる相談にソーシャルワーカーが応じています。また医師による医療相談も行っています。相談は面接、電話、文書FAXで受け付けます。(秘密は守ります)

連絡先 本部事務局
162-0844 東京都新宿区市ヶ谷八幡町13番地 東京洋服会舘4階
Tel 03-5228-6105代表 03-5228-6106相談専用
他12地区に支部あり。

夏目雅子ひまわり基金
 夏目雅子ひまわり基金では無償のかつら貸し出しサービスがあります。
問い合わせ先は
東京都港区六本木2-3-9 亀甲ビル6階 〒106
夏目雅子ひまわり基金本部 Tel 03-3354-7261 Fax 03-3350-6769

ハンドメイドのナイトキャップ
神奈川の会のボランティアで、ハンドメイドのナイトキャップを制作販売しています。収益金はすべて、「神奈川BMTハウスサポートの会」と「神奈川骨髄移植を考える会」に寄付されます。
・取り扱いグループ名:ハンドメイドグループ
 コットンキャップ・子どもと女性用のみです
・価格 1枚800円
・綿100%、サイズ・色・柄などはご希望に応じています
・お問い合わせ、申し込みは下記までどうぞ。申し込み用紙をお送りします。
e-mail 市川 RXV14713nifty.ne.jp Tel&Fax 波田野 045-572-9716

ファミリー・エージェンシー
Tel 0462-51-1526
入院治療を終えた子供たちと家族を支援するボランティア団体。
医師や看護スタッフ、教育者、患者家族が主なメンバー。

日本つばさ協会 Tel 03-3207-8503(月曜・水曜10〜17時まで)
血液疾患患者や家族を支援する団体。

マザーリング・ボランティア・ネットワーク
Tel 03-3239-1033(月〜金。10〜17時)
患児の兄弟姉妹である健康な子供たちのベビーシッティングをする

フェニックスクラブ
血液疾患全般の患者の会
〒755宇部市上宇部575-24 野村英昭様方
Tel 0836-34-2533
Fax 0836-34-2533

ソーシャルワーカー協会の連絡先
(社)日本医療社会事業協会  03−5272−4731
 全国医療社会事業 会長 吉田雅子(ソーシャルワーカー)
 順天堂大学  03-3813-3111

自治医科大や獨協医科大などがある栃木県には
たんぽぽの会(がん患者と家族の会)――
 028-663-6390 床井和正
 028-635-0891 加藤玲子
 0258-21-2723 竹村幸子
内容:月一回の学びと懇親の集い

こすもすの会(身近なひとを亡くした者の集い)
 0288-22-3596 斉藤 睦子(子)夜9時過ぎ
 028-648-5544 半田登美恵(配偶者)
 電話相談: 028-627-1697 鈴木みつえ

ひまわりの会(血液疾患の子をもつ親の会)
 獨協医科大学病院小児科病棟の患児の親たちが結成。治療のこと、告知問題、子の将来のことなど、医師、看護スタッフ、親同士が情報交換しながら、相互に支え合うことを目的に勉強会と交流会を開催。年2回程度の会報発行。
 0289-62-8698 稲葉裕史(鹿沼市)
 0285-84-5543 篠崎佳男(真岡市)

患者家族宿泊施設(小山市)
サポートハウス小山(仮称)
 獨協医科大学病院医療相談部 0282-87-2185
 自治医科大学病院医療福祉相談室 0285-44-2111内線2120
 とちぎ骨髄バンクを広める会 (栗本)0285-45-1565
 
米国がん研究所の PDQ 目次