キモシャークくん |
1. ながい あいだ ず〜っと、おいしゃさんたちは ガンにかかった人の びょうきが なおるよう、 ちからになりたいとねがいつづけてきたんだ。 せかいじゅう あちらこちらの けんきゅうしつで、かがくしゃさんは、よくきくいろんな クスリを つくりだそうといっしょうけんめい がんばって きたん だよ。 がんばってがんばって とうとうあるときキモシャークが できたんだ。 キモシャークはガンさいぼうを みつけだし、やっつけることが できるとても つよい戦士(せんし)なんだ。 おいしゃさんは キモシャークで ガンを やっつけられると わかったとき ほんとうに よろこんだ。 けれど ただ一つ かなしいことがあったんだ。 それは「ふくさよう」、つまり、よけいなききめ、ってやつの せいだ。 |
2. キモシャークはガンさいぼうを みつけだす、とてもパワフルな目をしているけれど、さすがのかれの目もかんぺきじゃあない。 キモシャークは、ママのからだのさいぼうまで およいでいくんだよ。 それがよいさいぼうで うすいピンク色なら、およいで とおりすぎていく。 そして赤い ガンさいぼうだと、ウルトラビームこうせんを目から出して、やっつける。 キモシャークならどんなにガンさいぼうをたべても、へいっちゃらなのさ。 |
3. だけど、ときどき ママのからだの中の よい さいぼうも、 わるい ガンさいぼうと おなじような色を していることがあるんだよ。 かみの毛の さいぼうや、つめや おなかのなかの さいぼうなんかが そうなのさ。 そんなときなんだ。 キモシャークが やってきて、 みまちがえて ビームで やっつけちゃいそうになるのは。 うわぁぁぁ――たいへんだ。 こいつが やっかいな「ふくさよう」ってやつだ。 ママは これが ほんとに つらいんだ。 |
4. ガンさいぼうに にている、よいさいぼうはね、 ほんとうに キモシャークに やられちゃうんだ。 たちまちノックアウトされて、けがをしたりするだけど うんの いいことに、 キモシャークは、この よいさいぼうを ころしちゃったりは しないんだよ。 いためつけられた よいさいぼうは「サイボーびょういん」にいって 元気になって かえってくるんだ。 |
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さいぼうは、ほんとうなら ママのからだの中で しなくちゃいけない しごとでも、びょういんで
やすんでいる あいだは、できない。 だから ママの かみの毛は ぬけおちるし、 はだが よわくなったり、けがを しやすくなったりするんだよ。 |
5. ガンさいぼうと たたかう しごとが おわって、 ママが もう キモシャークに ようじがなくなると、 ママの からだに さよならを して、 また ほかの たすけを もとめているママの ところに いくんだよ。 そうすると、よいさいぼうは また 元気になって、 ママの からだの中にもどって、しごとをはじめる。 (どんなふうか、かんがえてみてごらんよ) ママの からだに また 毛が はえだすんだ。 まず まつげ、それから ほうら、まゆ毛だろ、 そして とうとう あたまの毛。 ワ〜オ!!やったね! ママは ほんとに うれしそう。 ガンさいぼうが いなくなって、かみの毛が もどってきたよ。 |
6. キモシャークは みごとに たたかって ママのガンを やっつける。 それでも クスリをつくった はかせさんやおいしゃさんは、 もっと かんぺきな コーガンザメを つくろうとしている。 まずいあじじゃなくて、ママのからだに 入っても ママを いじめないもの。 よい さいぼう じゃなく わるい さいぼう だけをやっつけられる やつをね・・ いま、ママは クスリのキモシャークを のまなくちゃいけない。 じゃあ、きみたちには どうやったら ママのちからになれるかな? そうだね、まずは ガンとたたかうことが、 とても とても、きびしい しごとだと わかってあげる ことだね。 |
7. ママに げんきな ちからを くれる よいさいぼうを キモシャークが たまたま まちがって、やっつけちゃうと、 ママは つかれちゃうんだ。 ママは いつもと ちがう ようすに みえることが おおいんだ 目がつかれた かんじに見えるし、赤くなったりする。 きみの ママも そんな ふう かい? それに、かみの毛が ないと チョット へんかな。 |
8. ごはんの ときも いつもと ちがう ようすのときが ある。 どんな すきな たべものでも、その においで きもちがわるくなって テーブルを はなれないと いけないときも あるだろうな。 ママは きみと はなれたくなんか ないんだよ。 ただ、クスリのせいで きぶんが わるい だけなんだ。 |
9. ほかには こんな ことだって ママは たすかるよ。 それはね、きみから 見て「ずる〜い」とおもえることを ママが やらなくちゃ ならなくても、わかってあげる ことだよ。 ママは きぶんがわるい ときは りんごジュースの ような のみものや アイスキャンデーや スイカみたいな つめたい たべものが かかせないんだ。 びょうきを なおすために いつもよりたくさんの すいぶんがいるんだよ。 わかるでしょ? きみは 一日に ひとつしか アイスを たべられないのに ママがみっつも たべたら、それを 見ている きみは うらやましくて いやだろうな ってこと 、ママは わかってるんだよ。 |
10. ママのためにも きみのためにも、きみに できることが もうひとつ。 それはママ、パパ、かんごふさん、おいしゃさんに、 きみが わからないことは なんでもきく ことだよ。 なにか しんぱいごとが あるときは そのことを はなそうよ。 ママに、パパ、おばあちゃん、先生、友だちに。 きみなら だれに はなしたいかな? こわかったら、一人で なやまない ことさ。 一人で なやむと よけいに つらいんだもの。 |
11. つらいことが いっぱいあって、 なんども おはなししないと いけないかもね。 こわいと おもうことを、絵に かいても いいんだよ。 ガンさいぼうの 絵をかいてみても いいんだ。 絵にかけば クレヨンで そいつを おもいっきりやっつけてしまえるよ。 |
ガンさいぼうの 絵を ビリビリちぎってやぶって、 ごみばこに ポイポイってのも いいかもね。 さあ、ここに絵をかこう! |
12. さいごに・・・わすれちゃ いけないこと。 おもいっきり たくさん、だいて チュウして もらうことさ、 パパにも ママにもね。 そして、きみも ママに たくさん チュウして やさしく だいて あげるのをわすれないでね。 そうすれば、みんな もっと しあわせきぶんに なれるでしょ。 |
キモシャークを おうえんして あげてね!!! そして「ママを たすけて くれて ありがとう」っていおうね!!! |