平成10年度 第7回企画管理委員会議事録

日 時 平成10年10月23日(金)17:00〜21:30
場 所 財団法人骨髄移植推進財団会議室
出席委員 小寺良尚 委員長
秋山祐一、岩尾一、岡本真一郎
加藤俊一、清水透、十字猛夫
森島泰堆 各委員
陪席者 成瀬郁夫 厚生省臓器移植対策室室長補佐
佐藤 修  厚生省臓器移植対策室係長
土田昌宏 マニュアル改定特別委員会委員長
陽田秀夫 財務委員会副委員長
赤座達也 日赤中央DC部長
田中典郎 財団常務理事
事務局 野田、矢澤、山崎、町田


議事の経過及び承認・検討・報告事項

I.企画管理委員会
(1)委員会への陪席者2名の新規参画要請について
  患者家族代表として埴岡健一氏、骨髄提供ドナー代表として中達哉氏をそれぞれ次回委員会より招聘し、バランスのある意見を拝聴することとなった。
(2)審議策定未実施事項の今後の取り組みについて
  事務局と関係委員会とで積極的に協議検討し問題解決をすることとなった。特にHLA適合性についての検討、患者及びドナーの登録基準の見直し等については、医療委員会が主体となって次回委員会までに基準案を策定し、至急検討に入ることとされ、また骨髄採取料の策定、患者負担金の前払い等の検討についても新規陪席者にも応援を依頼することとされた。
(3)患者・ドナーの対面について
  全国骨髄バンク推進連絡協議会からの対面に関する照会文書に対して、前回公開フォーラム時の議論及びその後の企画委員会の検討等を総括的に普及広報委員長が纏め再討議することとされた。
(4)公開フォーラム開催について
  企画委員会主催として年度内に開催するとされ、まず日程候補日等を企画管理委員長と委員会事務取扱者で決めることになった。

2.普及広報委員会
(1)全国大会/併催事業開催について
 1)12月19日(土) 「全国大会」 (名古屋国際会議場3号館白鳥ホール)
 2)12月20日(日)「休日のドナー登録集団説明会・登録採血受付」(名古屋市公会堂2階会議室)
 3)12月20日(日)「骨髄バンクチャリティーコンサート」名古屋市公会堂ホール
 4)12月17日〜20日 「骨髄バンク市民展」
   の開催要項案が提示され、本案にて関係者間で調整を進めることになった。
(2)ドナー登録説明会の今後の予定について
 11月6日(金)京都駅大階段:京都府D C
 12月6日(土)八王子駅ビル:東京都  横浜駅前:神奈川県
          秋田市:秋田県(巡回) 山形市:山形県
(3)チャンス改訂版案・ポスター作成案について
  両案が了承され12月の推進月間に間に合わせるよう作成を急ぐことになった。
(4)平成11年度事業計画の立案と予算付について
  普及啓発活動の円滑な推進のために次年度の普及広報活動事業計画立案の段階より、計画に基づく予算措置等について、委員会の意見を充分取り入れて欲しいとの要望について事務局了解となった。
(5)DLT実施について
  普及広報の立場からは、ドナー擁護の原則の変更が容認されるまで例外的、緊急的な実施も控えるべきとの委員会の見解が表明された。
(KEN注:この表現は次の企画管理委員会で書き換えとなった。次回、議事録参照)
(6)財団フリーダイアルの増設について
  従前の0120−377−465に加え、新規に0120−445−445を増増することが報告された。

3.国際委員会
(1)韓国骨髄バンク関係者との会合について
  関係者の来日を期に Pilot Agreement提携についての打合わせがあり、最終的なPilot AgreementのドラフトがKMDPより送付された後、JMD Pで内容確認等を行い、署名提携を行うことが報告され了解された。
  なお、患者負担金額については、当面現行通りとし、実務面の運用等についてはKMDP側より提示していただき、それにあわせて対応することとされた。
(2)書面での意見聴取について
  BMDWから研究目的でのJMD PドナーのHLAデータ利用の依頼があり、委員長名で HLAデータ利用の是非について、企画管理委員各位の意見を聴取することとなった。(次回委員会で表決結果報告)

4.コーディネート委貞会
(調整医師の推薦について
9名の医師の推薦があり承認された。
(2)海外骨髄バンクヘの登録基準の変更について
  国際委員会より海外バンクへの患者登録について、国内にドナーが検索されている患者も平行して海外バンクに登録できるようシステムの変更が提案され、検討した結果、ドナー選定の段階でいずれかのバンクドナー1名に絞ることを条件として認めるべきとされ、11月に開催される調整医師会議及びバンクホームページ等で実施の時期等を公開することとなった。
(3)ドナー個人情報の取り寄せ及び問診表等の一括取り扱いについて
  従来地区事務局で行っていた標記業務をドナーコーディネートの迅速化を図るため専従者を配置し、2月1日から業務取り扱いを開始することとされた。
(4)コーディネーター養成研修について
  養成研修全開催要項が提示され、各担当ブロックより出された養成希望人員約55名を来年6月開講に向けて募集を行うこととされ了承された。
(5)ドナー及び患者情報の開示について
  患者及びドナーの希望により、選定ドナーの最終健康診断終了以降については、それぞれの性別、年代、居住地域等については情報を開示して良いとされた。

5.医療委貞会
(1)非血縁者間骨髄移植認定施設の申請について
  愛知県がんセンター病院血液化学療法部より移植実施症例数(成績)を添付し、申請があり,審査の結果,認定基準に達しているとされ承認された。
(2)HLA一座不一致移植について
  実施については、本年内に開始できるよう患者への説明書、適応基準、ガイドライン、移植成績の報告、情報公開並びに Stopping ruleの設定等実施要項等を整備し、理事会への事前書面報告を行った後、11月の調整医師会議でアナウンスすることとされた。また、実施に当たっては、基本的には主治医のインフォームドコンセントに基づく患者の意見と移植施設責任医師の判断を尊重し、更には各認定施 設の倫理委員会等の決定に委ねる等慎重な対応をするべきとされた。
(3)現行基準の見直しについて
  ・患者登録基準について:具体的な病名の表記はせず「白血病等の造血器腫瘍」と表記する。「提供可能なHLA一致の親族がいないこと」は現行の儘とするが、一致している親族が提供を拒否している場合等の理由記載があれば登録を受理するものとする。
  ・コーディネート開始依頼時の基準について:マニュアル改定に合わせ、再発時でもコーディネートを開始することができるように変更する。
  ・ドナー検索基準について:骨髄採取量が20ml/kgを遵守するルールが確立されている現状で、ドナーの体重が患者の80%以上という検索基準の見直しも検討する。
  ・HLA適合検索基準について:日赤中央骨髄DCでのコンピューター整備に伴うHLA適合検索システムの更新により、多数のHLA適合ドナーがいる場合の優先順位のきめ方は原則現状基準とするが、早期に移植を必要とする患者と比較的余裕のある患者とでは重要視する要素が異なることが考察されるので、グループ分けが可能なシステムの構築も検討する必要があるとされた。
  ・HLA一抗原不適合検索について:一座不適合抗原の選択順番は笹月研究班の報告を参考にしながら、検索システムを構築する。更に適合ドナーの有無に関わらず患者のデータにHLA一抗原不適合検索を「する」「しない」の印をつける等も検討する。
  ・緊急牲によるコーディネートの層別化について:緊急に移植を必要とする患者については、手続きの簡略化等も検討する。
(4)DLTの進め方について
  提供者に対するアフェレーシス実施に伴なう費用、万が一の成分採血時の事故に備えた補償等具体的な整備も今後必要とされた。
(5)コンピューターシステムについて
  患者と主治医にとって有用なバンク情報、骨髄移植成績の全般的な情報等も順次財団ホームページを介して公表していくこととされた。

6.ドナー安全委員会
 提供ドナーのC型肝炎発症事例に関する中間報告について
 当該ドナーは順調に回復し、提供を受けた患者については現時点で発症は確認されていないこと、また、ドナーの発症の因果関係については、継続して第3者に分子疫学的解析を依頼中で11月中に最終報告ができるとされた。

7.財務委員会
 財務改善の基本方針案について
 現時点で即対応可能な事項から実施に移すこととされ、担当事務局との打ち合わせを行い、次回委員会で実行項目の確認をすることとされた。

8 事務局
(1)コンピューターシステム化補正予算の使途(案)について
  中央・地区事務局間のコーディネートのシステム化(3千万円)、WWWサーバーの充実(1千万円)、日赤中央データセンター・財団間の情報伝達システムの構築(1千万円)等に予算配分を行うことが了承され、作業部会を中心に本事業年度中に整備を完了させることとなった。
(2)各委員会委員に対する傷害保険の付保について
  コーディネーター、地区普及広報委員に対しては、その業務に従事している間の不慮の事故に対して傷害保険を付保しているが、その付保対象範囲を各委員会委員まで拡大するよう検討することとなった。

8.次回企画管督委員会議題について
1.財務改善の基本方針案について(前回添付資料持参:継続案件)
2.コンピューターシステム化について
3.その他

次回委員会は平成10年11月27日(金)17:00〜開催することとなった

平成9年・10年度企画管理委員会審議・策定果実施事項の取り組みについて

下記事項について、担当を明確にして実施に取り掛かかることにしたい。

                 記

未実施事項
1.適正な中央並びに地区事務局サイズの策定
2.地区代表者会議(地区運営委員長会議)
3.財務の安定化
4.職員の待遇
5.内外部との連絡調整−オンライン化
6.骨髄採取料の策定

備考

仕 掛 中 の 事 項
1.初期検索システムの導入の可否と時期
2.HLA適合性についての検討、基準の策定
3.適合ドナー数と同意ドナー数の落差の解析と改善
4.患者登録、ドナー登録基準の見直し
5.普及広報―学校教育への働き掛け
6.関連団体との関係強化
7.ドナー登録拡大、普及啓発活動の見直し
8.患者、ドナーの面会について
9.移植、採取施設の認定基準の見直し
10.患者負担金の前払いについて
11.TCTMDRとの正式提携について
12.韓国骨髄バンクとの提携について
13.アジア骨髄バンクのネットワーク形成について
14.臍帯血バンクに関する財団のスタンスの策定

備考