平成10年度 第6回企画管理委員会議事録

日 時 平成10年9月25日(金)17:00〜21:10
場 所 財団法人骨髄移植推進財団会議室
出席委員 小寺 良尚 委員長
森 眞由美 副委員長
秋山 祐一、岩尾 一、大竹 一生、岡本 真一郎、加藤 俊一、清水 透、鈴木 利治、十字 猛夫 各委員
陪席者 成瀬 郁夫 厚生省臓器移植対策室室長補佐
山本 尚子 厚生省臓器移植対策室室長補佐
土田 呂宏 マニュアル改定特別委員会委員長
陽田 秀夫 財務委員会副委員長
赤座 達也 日赤中央DC部長
服部 潔 日赤血液事業課係長
田中 典郎 財団常務理事
事務局 野田、矢澤、山崎、町田


議事の経過及び発言要旨

1. 企画管理委員会

 (1) 平成9.10年度の継続案件である企画管理委員会の審議、策定事項の進捗状況の再点検並びに今後の課題について25項目の策定事項については、議論が煮詰まらない段階での提案、また財団の構造改革をしなければ着手できないものも含まれているが、現時点の未実施、仕掛中の事項を仕分けして、できるものから積極的に取り組むこととされた。
  未実施事項
   a. 適正な中央並びに地区事務局サイズの策定
   b. 地区代表者会議(地区運営委員長会議)
   c. 財務の安定化
   d. 職員の待遇
   e. 内外部との連絡調整−―オンライン化
   f. 骨髄採取料の策定
  仕掛中の事項
   a. 初期検索システムの導入の可否と時期
   b. HLA適合性についての検討、基準の策定
   c. 適合ドナー数と同意ドナー数の落差の解析と改善
   d. 患者登録、ドナー登録基準の見直し
   e. 普及広報一学校教育への働き掛け
   f. 関連団体との関係強化
   g. ドナー登録拡大、普及啓発活動の見直し
   h. 患者、ドナーの面会について
   i. 移植、採取施設の認定基準の見直し
   j. 患者負担金の前払いについて
   k. TCTMDRとの正式提携について
   l. 韓国骨髄バンクとの提携について
   m. アジア骨髄バンクのネットワーク形成について
   n. 臍帯血バンクに関する財団のスタンスの策定
発言要旨
・ 未実施事項については基本的な仕分けをし、誰がいつまでにどういう段取りで行うか等明確にしながら、とにかく取り組みを開始するべきである。
・ ドナー登録30万人の新目標には、目標達成時期の設定をして、そのための効果的な戦略方法、内外部とのオンライン化の構築等も念頭に置き、綿密な企画立案をするべきである。まずは地方自治体の協力を得るためにも、来年度の予算編成時期である今、早急に省よりドナー登録30万人目標達成のための協力要請方を発出してはしい。
(了)
・ 普及広報の立場から、今後ホームページ等でのタイムリーな情報公開等が必須となるので、コンピュータシステム構築が中央事務局と地区事務局、財団と日赤中央DCとの情報通信をメーンとするだけでなく、コンピュータ作業部会への参画及びその進捗状況等逐次報告して欲しい。
・ 日赤関係のオンライン計画は、主に財団との情報通信・検索システムの構築、地方データセンターのコンピュータ(ハード)の更新、本体の取り替え、検索ソフトの開発、将来的には30万人ドナーのデータ保存等であり、財団との間では基本的な合意がなされつつある。将来を見据えてかなり大きなソフト面での枠を設定することも可能となる。
 (2) 患者・ドナーの対面等に関する要望について(全国骨髄バンク推進連絡委員
会)論議されず次回以降の検討議題となった。
 (3) 公開フォーラムについて
   開催の可否については、企画管理委員長・普及広報委員長間の調整事項であったが、今年度中に企画管理委員会主催で開催する予定となった。


2. 普及広報委員会
  「願いはドナー登録30万人!」全国一斉キャンペーン実施について
  10月4日に全国一斉キャンペーン(主要都市00か所)を都道府県及び支援団体の協力のもと実施、併せ東京、大阪、郡山、秋田の4か所で骨髄ドナー帝望者への集団説明会を開催し、日本赤十字血液センター、保健所の協力のもと採血登録を実施する旨が報告された。

3. コーディネート委員会(マニュアル改訂特別委員会)
 (1) 緊急患者コーディネートマニュアル作成について
   コンピュータ新システム構築の際に、具体的な導入ができるよう準備を進めることが了となった。
 (2) 調整医師の推薦について
   6名の推薦があり承認された。
 (3) 骨髄提供者への厚生大臣感謝状贈呈について
   感謝状の贈呈までの期間が長すぎる、記念品は不要等の意見が出ていることに対して検討した結果、財団としては感謝状は従来通りの申請、贈呈とし、記念品の贈呈はしないこととなった。
 (4) コーデイネーター養成研修について
  各地区のコーディネーター必要人数の調査を実施中であり、次回委員会に養成研修会実施企画案を答申することとされた。

4. ドナー安全委員会
 (1) 骨髄提供後のC型肝炎発症ドナーの原因解析報告について
  解析の結果判明は10月下旬以降になる可能性が高い旨の報告がなされた。
 (2) 骨髄提供ドナーの入院継続について
  骨髄提供後一過性の菌血症(表皮ぶどう球菌)のあと、股関節痛を訴え入院継続中の方がいる旨が報告され、以後充分なケアーを行うこととされた。
 (3) ドナー検索基準中の体重制限について
  資料に基づいて説明があり、ドナーの安全を確保をするため、現状の基準を継続したほうが良いとされた。しかし上限20ml/kgの採取が遵守されているので検索基準から外しても良いのではないかという意見が出され、再度ドナー安全委員会で検討することになった。
  また調整医師会議(11月13日(金沢)開催)等で適正な骨髄採取を実施するためにも、採取基準の遵守、女性でHb値が低いドナーに対する注意、患者体重がドナー検索の可否に繋がること等伝達することとなった。

5. 医療委員会
  「第5回企画管理委員会議事録」の一部加筆について
  医療委員会編の中の、HLA一座不一致移植実施に伴う指針実に、適応については、ガイドラインに示すこととし、最終的には移植病院の責任医師の判断と患者の意思に委ねるという項目を追加することとなった。また、指針については、次回企画管理委員会で最終的な詰めを行い、調整医師会議で全体的にアナウンスすることとなった。

6. 財務委員会
 財務改善の基本方針案について
 陪席者の財務委員会副委員長から、特に財務に関する具体的方策、人的資源の有効活用、増収計画案等について説明され、今後各委員の意見も拝聴しながら財務改善の基本方針の策定を図っていくこととなった。
 特に緊急を要する増収計画等については、財団の担当窓口を決め(募金部)、財務委員会と提案事項の仕分け等を行ない、すぐにでも対応可能なものについては、検討のうえ実施の方向で進むことになった。
 その他、現在の財団に求められるもの(理念の共有、使命感と危機感の共有、機構改革と人事の刷新等)等については、次回以降の重要検討事項とされた。

7. 国際委員会
 WMDA/NMD Meeting 出席報告、KMDPからの書簡、TCTMDRからの新規Fee Schedule、
WMDAのHistocompatibility Testing Guidelines等について
 (1) KMDPからの書簡については JMDP Fee Scheduleの改定が近い将来ある可能性を伝えた上でKMDPより revisedされたFee Scheduleを採用し Pilot agreementのもとに相互のドナー検索を開始することが了解された。
   これにより10/9(金)に東京でKMDPの代表(Dr.Lee、Mr.Chou)と会合を行ない企画管理委員会の決定を伝え、最終的な話し合いを行なうことになった
 (2) TCTMDRとの提携については、JMDPが最終的な価格表を提示するまでは各registryより提示されたFee Scheduleに従って相互ドナーの検索を続行することが確認された。
 (3) 提携に関する広報等については、もう少し具体的な局面に達するまで控えることとなった。
 (4) WMDAからの資料については、registry accreditationに関する copyがなかったので後日これを送付し、Histocompatibility Testing Guidelinesとあわせてこれらに関する意見を次回までに各自まとめておくこととなった。

8. その他
 (1) 企画管理委員会への陪席者の参画について
   各分野のバランス感覚の取れた方々の意見を拝聴するため、患者家族、ドナー経験者各1名をオブザーバーとして参画させたいとする委員長提案について、次回委員会までに各自が検討してくることとなった。
 (2) 第6回企画管理委員会議題及び以前の積み残し議題については、次回以降再提議し、討議を行っていくことになった。

以上


[次回委員会は10月23日(金)17時から開催されることになった。]