平成10年度 第5回企画管理委員会議事録
日 時
平成10年8月28日(金)17:00-20:30
場 所
財団法人骨髄移植推進財団会議室
出席委員
小寺 良尚 委員長
秋山 祐一、岩尾 一、岡本 真一郎、加藤 俊一、清水 透、森島 泰雄、十字 猛夫 各委員
陪席者
土田 昌宏 マニュアル改定特別委員会委員長
陽田 秀夫 財務委員会副委員長
赤座 達也 日赤中央DC部長
田中 典郎 財団常務理事
事務局 野田、矢澤、山崎、町田
議 題
:
1.第4回企画管理委員会議事録
(1) 企画管理委員会
1) HLA1座不一致移植に関する専門家への返書について
2) 平成10年度公開フォーラム開催の是非について
(2) 財務委員会
財務委員会委員の新規委嘱について
(3) 国際委員会
1) WMDA Working Group Meetings 1998 NMDP Council Meetingsについて
2) 提携外の海外バンクへのドナー検索依顧について
3) 台湾骨髄バンクからの Fee Schedule 変更の申し入れについて
4) 骨髄運搬方法について
(4) 医療委員会
1) 移植・採取病院の認定(天理よろづ相談所病院)
2) HLA1抗原不一致移植実施に伴う指針案について
3) DLT実施に伴う指針案について
(5) 普及広報委員会
財団インターネット及びニフティーサーブでの情報の公開について
(6) コーディネート委員会
ドナーコーディネートの迅速化について(特に日赤DC間との個人情報取寄方法の改善)
(7) ドナー安全委員会
1) 骨髄採取後急性肝炎を発症した事例の経過報告について
2) DLT実施準備に関わる採血基準について
3) 認定施設に対する安全情報(血液分画製剤(PPF)、エリスロポエチン使用について)及び骨髄穿刺針アンケート調査結果等の発出について
等を主な内容とする第4回企画管理委員会議事録案が了承された。
2. 企画管理委員会
了承事項
1) 旧中央調整委員会に付置されていたデータ管理関連部会について
骨髄移植実施症例関連データの収集、解析、公表、データ利用希望申請の受理等、JMDPデータ解析利用専門委員会設置のため、原田、森島委員が中心になり実施要項等の作成を急ぐこととなった。
2) 現体制の見直しについて
主に財政基盤の確立ために必要な基本方針に関する見直し実の作成を委員長より財務委員会副委員長に依頼し、答申をもって次回以降の委員会で討議することとされた。
3) 企画運営委員会の議事運営について
主要事項の審議を最優先とし、各委員会の報告は可能な限り書面で行うこととされた。
3. コーディネート委員会
了承事項
1) 初期ドナーコーディネートの迅速化促進について
「ドナーコーディネート情報の取寄せ、問診表、提供意思確認書の送付」等の各地区事務局所生業務を関東地区事務局で一括管理することにより、初期ドナーコーディネートの迅速化に資する案が提案され、協議の結果了承された。
なお、業務開始にともなう日赤本社、日赤DCとの調整及び人員配置等について早急に事務手続きを進めることとされた。
2) ドナーコーディネート担当県の変更について
甲信越地区事務局の担当である山梨県が関東地区事務局に組み入れることが了承され、組織の一部改定を行うこととなった。
3) コーディネーター養成研修について
コーディネーターの養成研修及び再認定等を行う試験小委員会(仮称)(委員長:土肥博雄、委員:今村雅寛、星恵子、岡村純)を設置することが了承された。
報告検討事項
1) ドナー個人情報の取り寄せについて
現行の郵便による各データセンターへのドナー個人情報の請求方法をFAXでの請求に切り替えることについて、日赤と調整中であることが事務局より報告された。
2) ドナーの三次検査及び自己血採血時の事故に対する補償等について
骨髄採取前の諸検査実施に伴う予測できない事故等の発生に対処するため、新たな保険の導入及び既存保険の適用範囲の拡大等の要望があり、事務局の検討課題とされた。
3) DLTマニュアル作成について
実施に向けての具体的なマニュアル作りを進めるとされ、基本的な考え方、ドナーへの説明、採血基準、採血施設の調査、実務的な連絡方法等が検討されたことが報告された。今後は実施に関わる手続き論、諸費用等について詰めを行うこととされた。
4) 緊急患者のコーディネートについて
緊急に対応できるコーディネートシステムの構築が急がれるとされ、次回企画管理委員会に提案することとなった。
4. 医療委員会
承認事項
*認定病院の申請について
旭川医科大学附属病院の認定申靖について、書類審査の結果承認された。
了承事項
*HLA一座不一致移植に関する委員会の考え方(再確認アンケート)について
第4回企画管理委員会議事録:HLA一抗原不一致移植実施に伴う指針案
イ) 適応等については、特に定めず治療方針は患者の意思決定に委ねる。
ロ) 登録手続きは移植病院の責任医師が行う。
ハ) 不適合抗原の選択は移植医師に委ねる。
ニ) 一座不一致移植のリスクについて情報伝達を充分するよう努める。
ホ) 不適合抗原の選択、前処置やGVHD予防等の相談は医療委員会がコンサルタント役を努める。
へ) 一座不一致移植成績の収集、分析を行い、悪影響を及ぼす条件が見つかれば移植を推進させないような Stopping ruleの作成が必要。
上記事項に追認として移植実施病院は当面10例以上の非血縁者間骨髄移植の経験を有する指定病院とすることを付加することとなった。
検討事項
*患者登録年齢について
50歳以上の登録希望患者に対する対応等について、今後適応基準の変更等も含め各委員会と協議をし、検討していく必要があるとされた。
5. 国際委員会
了承事項
1) WMDA Working Group Meetings,1998 NMDP Council Meetings
(USA:ミネアポリス;9/16-22)参加について
委員長及び国際担当職員1名の海外出張申請があり了承された。
2) JMDPの海外バンクに対する患者負担金価格の設定について
来年3月までに円(\)計算でのJMDP統一価格を決定し、それまでの間TCTMDWへの価格提示も現状のままとすること、またBMDWへの価格提出についても統一価格決定をもって提出することを伝えることとされた。
当面、海外バンクに対しての費用請求については、NMDPとAsianの2通りの価格で請求をすることとされた。
3) 統一価格設定のための原案提示について
各委員会と協議しながら、これに付帯費等請経費を精査加味しながら適正価格の設定を図ることとされた。
4) 提携外骨髄バンクとのドナー検索並びにコーディネートについて
BMDWのドナーが検索された場合、このコーディネートで発生する費用の取り扱いについては、研究班扱いとされた。ただし三次検査のルートの確保及び骨髄液の輸入申請書続き等については財団が協力することとされた。
5) 「造血細胞移植と免疫応答に関する研究」班からの協力依頼について
研究班(小寺班長)より造血細胞移植の供給率向上のため「異人種間の骨髄移植の整備と成績向上に関する研究」を実施するため、国内、提携バンクでドナーが検索されていない患者の紹介依頼があり協力することとなった。
6) 海外骨髄バンクとJMDPとの相互提携における患者コーディネートマニュアル案について
I 全米骨髄バンク(NMDP)におけるドナー検索
II 台湾骨髄バンク(TCTMDR)におけるドナー検索
について提案され、これを当面のマニュアル(患者負担金リスト及び海外骨髄バンクから骨髄の提供を受ける移植施設の基準含む)とすることとなった。
6.ドナー安全委員会
報告事項
*骨髄提供後のC型肝炎発症ドナーの原因解明について
肝炎専門医において着実に解析が進行している旨、報告がなされた。
7.普及広報委員会
報告事項
1) 公開フォーラムについて
本年度中の開催の是非について、普及広報委員会での再検討事項となっていたが、調整ができないという普及広報委員会の結論に対し、企画管理委員長と普及広報委員長間で再度調整することとされた。
2) ドナー登録者10万人達成について
8月13日に10万人達成のニュースリリースを行なったことが、資料を添えて報告された。
3) 全国一斉街頭キャンペーン及びドナー集団説明会と登録について
10月4日(日)に関係機関の協力のもと実施に向けて準備を進めていることが報告された。また登録説明会開催時には、コーディネート委員会に対してコーディネーターの方々の応援を要請し了承され、委員会宛に計画書等を早急に提出することとされた。
8.その他
1) 陪席者提言:陽田財務委員会副委員長
財団の健全な運営に資するため、財政をはじめとする根本理念の整理と現体制のスリム化、サービスの見直し等を検討する時期に果ているため、次回委員会以降に総合的な現体制の見直し等を含む策定案を答申したいので、討議願いたいとされ了承された。
2) 議事録作成について
委員会終了後速やかに議事録案を作成し、各委員の確認を受け、次回委員会に議事録(正)として報告することとされた。
次回委員会は平成10年9月25日(金)17:00-開催されることとなった。