平成10年度 第2回企画管理委員会議事録

日 時 平成10年 5月22日(金) 16:00-20:00
場 所 財団法人骨髄移植推進財団 会議室
出席委員 小寺良尚委員長 森眞由美副委員長
秋山祐一、岩尾一、岡本真一郎、大竹一生 (服部血液事業部係長代理由席)
加藤俊一(高橋聡医療委員会委員代理出席)、
鈴木利治、清水透、森島泰雄、十字猛夫
陪席者 [マニュアル改定特別委員会委員長]-土田昌宏
[日赤DC
]-赤座達也部長
[厚生省 臓器移植対策室長補佐]-成瀬郁夫、重藤室長補佐
[財 団]-田中常務理事
[事務局]-野田尚子、矢澤俊昭、山崎裕一、町田孝夫

議  事:
1.第1回企画管理委員会議事録案
1) 企画管理委員会:HLA照合サービスの開始について、未収金の処理に関する対処方針案及び組織規程の一部 改正について、臍帯血移植検討会報告について
2) 普及広報委員会:
10年度地区普及広報委員の推薦について、地区普及広報の拠点の設置について、全国大会 (名古屋開催)について
3) コーディネート委員会:
調整医師の推薦について、コーディネーター地域限定募集と研修システムの構築についてドナー心理検討のためワーキンググループの設置について、コンピュータシステム枚討委員会の設置について、提供ドナーに重篤な合併症等が発生した場合、既最終同意確認者への説明と再同意の確認について、マニュアル改定について、コーディネートブラッシュアップ会議(12月19,20日)開催について
4) 医療委員会:
認定病院の見直しについて、新規認定病院の推薦について、DLTの申請について患者主治医への移植成績の情報提供について
5) ドナー安全委員会:
急性肝炎を発症したドナーのその後の状況及び枚討症例等の報告について
6) 国際委員会:
TCTMDRへのAGREEMENT及びKMDP(ERC B/D,Catholic)へのPilot AGREEMENT送付について 海外バンクからの骨髄の提供を受ける移植施設の基準(改定)について
7) 事務局:
平成9年度審議策定事項の進捗状況確認について、平成10年度事業計画、予算編成方針と収支予算(一般会計・特別会計)、組織図等について、患者負担金の保険適用申請の検討について、各委員会への傍聴希望について

等を主内容とする第1回議事録が承認された。

2.企画管理委員会
承認事項
BMDWのHLA照合サービスの運用に関して
BMDWのHLA照合サービス内容はHLAが6座一致ドナーの照合、1座不一致ドナーの照合、保存 臍帯血に関する照合の3種類あるが、当面はこれらの全ての照合サービスを行い、BMDWの 照合内容の解説文等が整った際には、主治医の希望する照合内容に沿ってサービスを行う こととされた。またBMDWのインターネットにアクセスするパスワードの交付については、 原則全認定病院に交付する方向で進むとされ、合わせてパスワードをもっている病院名の公表についても検討することとされた。

3.普及広報委員会
承認事項
1) AC広告の企画について
98年度も継続して骨髄バンクをテーマとして企画採用されることが内定し、20歳の登録をイメージアップさせるため20歳のタレントの起用を検討することとされた。
2) HP上の協賛企業の募集について
規則上問題なしとされ、前向きに検討することとされた。
3) チャンスの改定について
ドナー登録の簡素化等を含め、全体的な見直しを進めることとされた。
4) ドナー登録30万人に向けてのキャンペーン企画について
10月4日(日)を全国一斉登録の日と定め準備を進めることとされた。

4.コーディネート委員会
承認事項
1) 調整医師の推薦について
委員会推薦の調整医師4名が承認された。
2) 骨髄データセンターへのドナ一情報取り寄せに関する要請書について
ドナーコーディネートの迅速化のため、ドナ一個人情報の取り寄せにFAXを利用する、登録時に実施した健康調査表は送付不要(今後は廃止)、情報の取り寄せ及び送付先を従来の地区調整委員会からコーディネート委員会に変更する等ドナー情報の一元化に向けて大枠について承認され、今後関係者間で正式なルール化を図りつつ調整することとされた。

報告事項
1) 海外患者のドナーコーディネートについて
委員会の中に国際担当を選任しその任に当たることとされた。
2) 患者コーディネーターの必要性について
近年患者コーディネートが必要不可欠となってきて、移植及び患者登録施設宛ての「患者コーディネートだより(仮称)」の発行が必要とされた。
3) 三次検査の呼称について
不統一呼称を是正し、ドナー適格性検査(3次検査)に統一することとされた。
4) 広報活動の意思のある骨髄提供者への対応について
かなりの提供者が協力意思をもっているので普及広報委員会より要望があれば紹介可能とされた。

5.医療委員会
承認事項

1) 認定病院の更新の理由と基準及び公表について
非血縁者間骨髄移植の円滑な実施と成績向上を目的として非血縁者間骨髄移植と骨髄採取を実施する病院を認定しているが、財団発足から7年余りを経過し認定病院の実状にも変化が出て いることもあり、企画管理委員会の決定に沿って更新基準を「過去3年間で同種骨髄移植10例以上」、「5〜9例の施設は1年間暫定的に継続し、1年後に現基準で判定する」、「5例未満の施設は新規コーディネート開始を認めない」とし調査を行ったが、特に基準に達しない施設の取り扱いについては、希望があれば採取病院としての認定継続は認めることが確認され、認定更新施設の名称を公表することとされた。

2) 更新基準に満たない病院について
過去3年間で同種骨髄移植5〜9例の13施設について意向確認を実施した結果、5施設が1年間の認定継続を希望、2施設が同種PBSCTを基準に加えてほしい、1施設が認定病院辞退となった。また、5例未満の5施設からは移植病院資格中止、採取病院継続希望がありそれぞれ承認され た。

継続協議事項
1) HLA l座不一致移植について
基本方針としては既に承認されていることであり、医学的にも新たな問題点はないものとの委員会答申を受けて、1座不一致移植症例のデータの精査、コンピューター検索システムの構築等細部の検討を進めることとが大筋において確認され、実施に向けてのマニュアル等を関係委員会で継続協議し作成することとされた。

2) DLTについて
現在特例として認められているEBV-BLPD(EBウイルスによる2次性B細胞増殖性リンパ腫)に加え、DLTにより治療が期待できる慢性骨髄性白血病の細胞遺伝学レベルでの再発に対しては認めていく方針が大筋において確認され、実施に向けて適応疾患病期の決定、DLTプロトコールの作成と成績の分析、採取、採取費用、DLTの実施とドナーサイドの同意及び同意期間の延長、期間の限定等コーディネートマニュアルの整備が必須とされ、関係委員会委員長間で継続して協議を行い作成することとされた。

6.国際委員会
報告事項
委員長及び国際担当富田がCHSC Transplant Center/CHSC Information Bankに招聘され相互の現状報告等を行い業務提携に向けて情報交換をしてきたことが報告された。
1) CHSC Transplant Cente/の現状
無菌室 50床(リスクの程度により使い分けいている。)
国内移植の50〜60%がこの施設で実施
ドナー登録数:13,110人
HLA-A,B,DRタイピング済みドナー数:6,816人
登録患者数:106人
適合ドナーを見出した患者数:51人
移植数:27例

2) CHSC Information Bank/の現状
ドナーサーチの適応疾患、病期等原則移植医が決定、依頼により不一致ドナーも検索可能、Operation Manual,Fee Scheduleがない等システムがKMDPと異なりプライベートバンクの形態をしていること。
※CHSC Information Bankは臍帯血バンクとしても機能しており、200の臍帯血を保存、2件の臍帯血移植を実施していること。

3) Catholic Bankの協力体制についての意向
代表者は何らかの形でJMDPと協力関係を持っことを希望しているが、正式に業務提携を結びた という意向は示されなかったこと。

4) KMDPの現状
韓国経済状態を反映し、実際に昨年10月以来新規のコーディネートが進められていない状態で現状としてはPilot agreementを提携してもKMDPとしてはすぐには相互検索を開始できないとのことであったが今後Pilot agreementの内容等相互に詰めていくことについては基本合意がなされたこと。JMDPとしては、韓国内でのサーチがストップしている中でドナーサーチを依頼することは現実問題として不可能な状態であるので、逆にKMDPよりサーチを受ける雰囲気にもって行く必要性があるとされた。

5) TCTMDRとの正式提携について
TCTMDRで正式提携に進むことに関しては基本的に合意されているが、現在契約内容について検討が進められている状況であること。またJMDPよりTCTMDRへドナーサーチを依頼する場合のFee Schedule等の改定案が提示されたこと。

7.厚生省報告
骨髄バンクコンピュータシステム事業について
臓器移植対策の推進における情報ネットワークの整備費として今国会に国庫補正予算案を提出したことが報告された。

8.コンピュータ整備について
骨髄バンクコンピュータシステム事業の実効の際には財団と日赤で合同作業部会を設置し、計画的な整備に当たることとされた。

以上

[次回委員会は6月19日(金)17:00より開催されることとなった。]