平成9年度 第2回企画管理委員会議事録


日 時 平成9年5月10曰(土)13:00〜16:30
場 所 財団法人骨髄移植推進財団2階会義室
出席委員 小寺 良尚 委員長 森 眞由美 副委員長
秋山 祐一・岩尾 一・岡本 真一郎・加藤 俊一・清水 透・鈴木 利治・
森島 泰雄 各委員
陪席者 [厚生省疾病対策課臓器移植対策室] 成瀬課長補佐・重藤室長補佐・甲田係長
[財 団] 田中常務理事 [事務局] 野田・矢澤・山崎・町田


承認事項

1. 平成9年度 第1回企画管理委員会議事録(案)について
 議事録案の3.委員会及び地区事務局についての一部を修正の上、これを承認した。
2. 地区コーディネート委員会の運営委員長並びに副運営委員長の選任について
 候補者を次回委員会に付議することとされた。
3. 調整医師の推薦について
 推薦された調整医師の15名を承認した。
4. 患者負担金の前払制度の導入について
 平成8年度において本委員会での承認を得た前払い制度の導入ついては、[1]登録時、[2]コーディネート開始時(コーディネート料・3次検査料)、[3]最終同意成立時(ドナー傷害保険料、ドナー健康管理調査料)の3段階方式により主治医を介さず、財団事務局から直接患者又は家族に送付する方式をとることになった。
なお、制度導入時期については、主治医への周知期間、財団事務局の事務処理方法の整備等が終了次第実施に移すこととされた。

報告事項等

1. 各委員会報告及び意見
  1)普及広報委員会
ア. 行事等について
  骨髄バンクキャンペーンRALLY実施状況中間報告及び国際フォーラム開催の準備状況報告等があった。
イ. 地区事務局の今後のあり方について
  現時点においてはコーディネート業務と地区普及広報業務は明確に区分して行うべき(規程上の所掌業務の遵守)だが、将来構想としては、普及広報活動業務も地区事務局でもできる余地を残すような組織作りをしていくべきとの提案があった。
  2)コーディネート委員会
ア. 地区コーディネート委員会の位置付け等について
  コーディネート全般の責任は地区コーディネート委員会にあるので、所掌業務等を規定し、正式な形での位置付けが必要である。また以前からの課題であるコーディネーターの身分保証等も前向きに検討すべきであるとの提案があった。
イ.1996年のコーディネート業務集計報告について

[1] コーデイネート依頼受理数 2,820件
[2] 三次検査実施数 1,669件
[8] 最終同意説明会実施数 491件
[4] 最終同意確認数 474件
[5] 採取実施数 368件
患者の都合による中止件数 1,097件
三次検査前 231件
三次検査〜同意前 800件
最終同意後 66件

なお、コーディネート開始後にドナー候補者の健康上の理由で、コーディネートが中止となる事例が多く見られるため、ドナーの健康上の理由によるコーディネート中止件数について、中止の理由を分析し提出することになった。またパンフレットに詳細な健康上のドナー不適格事項を表示する等、コーディネート中止を事前に防止するような登録体制作り
を委員会で検討することになった。

  4)ドナー安全委員会
ア. 採取後ドナーフォローについて
  4月採取ドナーに採取後左半身の痺れ感が発生して、入院が1日伸びた例が確認され速やかな対処を行った旨の報告があった。
イ. ドナーフォローアッブデータの公表について
  これまで公表されたドナーフォローアップ関連のデータをまとめたものが、臨床科学VOL4に特集「インフォームド・コンセント(IC)」(著者秋山祐一)として発表され、そのコピーが席上配布となった。これに関連して調整医師、コープィネーター等に公開するナータと一般に公開するデータの整合性を取るため、今後は雑誌等に投稿する場合は、事前に関連する委員会と協議することが望ましいとされた。

  5)医療委員会
ア. 委員会開催と当面の検討課題について
  5月24日に第1回委員会を開催し、検討課題として、登録患者の適用疾患について、移植病院の再認定について、医療費について、国際協力事業における移植病院の役割等について挙げられた。

  6)国際委員会
ア. NMDPとJMDPのセレモニーについて
  開催時期については、ある程度実績を積んだ段階で開催するよう日米バンク間で調整することが了承された。
イ. 国際フォーラム開催概要検討について
  普及広報委員会と協議の結果、今後JMDPが提携する予定のアジア、太平洋、台湾、韓国、ホンコン等の骨髄バンク関係者を招集し、内容は各国バンクの紹介だけでなく日本におけるドナーリクルートに貢献できるような企画等も盛り込み、現実の諸問題を討議する場にしたいとされ、詳細な詰めを行うことになった。
ウ. 国際委員会とコーディネート委員会の所掌事項について
  原則患者サイドの事項は国際委員会が担当し、ドナーサイドの事項はコーディネート委員会が担当することとする等、互いに連携をとりながら、責任体制の明確化を図ることとされた。
エ. 台湾骨髄バンクとの提携に伴なう患者負担金の設定案について
  台湾骨髄バンクとホンコン骨髄バンクで提携された患者負担金費用に基づいて作成された患者負担金案が提示され、受益者である患者家族の費用負担にも充分配慮を図りながら検討した結果、本案をもって台湾骨髄バンクと協議することになった。
  また、受益者負担額については、患者家族の費用負担の調査等を行い、実態を踏まえた議論をするべきとの意見も出た。
オ. NMDPとの業務開始による登録状況について(5月9職在)
  JMDPからNMDPに29名JMDPから台湾骨髄バンクに3名の患者がドナーサーチをしたことの報告があった。

  7)財務委員会
ア. 財務の安定について
  厚生省所管の各財団に対し、来年度の国庫補助金の大幅な予算削減措置等も予想されるので、多方面に積極的に寄附金の働きかけを行うと共に事務の合理化も進め、財務の安定を図りたいとされた。
  また広報委員会と合同して、募金計画を立案したいとの意見が出され了承された。
2. 9年度企画管理委員会審議、策定事項について
企画管理委員長から下記項目について提起され、今後追加訂正を行いながら諸事項について担当者を決めて実行して行くこととなった。
[1] 財団運営に関する基本的事項について 8件案
[2] 事業計画関係事項について 10件案
[3] 組織、機構関係事項 3件案
[4] その他について 3件案
審議策定事項の中で特に下記事項について討議された。
ア. 患者とドナーの面会について
  広報における対社会へのアピールを考え、取り組みを検討してはとの意見が提示されたが、骨髄提供の無償性を保護していくためにも慎重な対応が必要とされた。
イ. 患者擁護部門の新設について
  委員長が中心となり検討を開始することになった。
ウ. 予備検索システムについて
  コーディネート委員会が中心となって、運用方法の具体案を検討することになった。
  またこれに合わせ Bone Marrow Donor World WideへHLA型の登録についても検討することになった。
3.その他
財団運営5か年計画額総括表、骨髄バンク事業の現況(平成9年4月末現在)が参考資料として提示された。


[次回企画管理委員会は、平成9年6月28曰(土)12時から開催することとされた。]